初雪の日
「わぁ、雪だぁ!」
「おお、初雪か?」
「積もるかな!?」
「どうだろうな」
「積もったら雪ダルマ作ろうね!」
「おう、等身大のな」
「隆太の身長くらいだったら作るの楽だもんね!」
「しばくぞ、こら」
「キリやんだったら大変だよ!」
「もー黙れよお前」
「まぁ私も小さいから、」
「私もって何だよ。私はって言いなさい」
「…私も小さいから、」
「何だよその間は!しかも直ってねぇ!」
「私も小さいから一緒に歩くなら隆太のがいいよね」
「…そっか」
「……」
「……」
「…隆太って鈍感」
「はぁ?お前に言われたくねぇっての」
「ううん!私実はちゃんと考えてるもん!全部分かってて分かってないフリしてるだけだもん!」
「あーはいはい」
「信じてないよね!?私腹黒なのに!」
「いいじゃん。色白なんだから、足して割ったらほら良い感じ」
「上手くないんだからね!何そのドヤ顔!止めて!」
「もう分かったから。手」
「手?」
「寒いだろ?貸せよ」
「ん」
「あったかい?」
「あったかい」
「…お前って扱いやすくて良いよな」
「何それ」
「何か全部俺の計画通りに進んでいくって感じ」
「(それは私の台詞デス)」
「あーもうすぐ誕生日だな」
「ん?」
「俺らの」
「そうだね」
「何する?」
「分かんない。今年は私キリやんいるしね」
「……」
「……」
「…いいか、里紗。誕生日って言うのはこれまで傍で支えてくれた人に感謝する日なんだ」
「そうなの?」
「うん。だから誕生日は家族で過ごすのが常だ。これはいつまでも変わらない」
(…ほら、全ては私の計画通り)
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