第3話

昼時、一人テラスでランチを食べていると隣の席に誰かが座る気配を感じた。


顔を上げてみると、見知った顔が微笑んでいた。



「あ、先輩」


「智、最近ウチん家来ないから寂しかったよ~」


相変わらずの間延びした声の先輩は、甘えるように俺の服の裾を握った。



梨紗に出会うまで、数人でこの先輩の家に集まって、話をしたりゲームをしたりして遊んでいた頃がある。


もちろん梨紗に出会ってからは一度も行っていないのだけれど。



「今日はウチの可愛い後輩連れてくからさ、来なよ~」


「……う、ん。…そうだね、久しぶりに行こうかな」


「やった~」


俺の言葉に、先輩は満面の笑みで両手を上げて、子供のように無邪気に喜んでくれた。



全然乗り気ではなかったけれど、一人で居ると梨紗を想ってしまうから。


皆で遊んでいれば梨紗を忘れられる。きっと、忘れられる。



……いや、違うか。



『貴方って変な人よ』


俺ではなく、梨紗が、俺を忘れていくんだ。



『清々した』って『静かになって落ち着くわ』って、だんだんそんな事も思わなくって。


俺のいない毎日が当たり前になって。



…――そして、梨紗の記憶から俺が消えていってしまうんだ。






できる事なら初めからやり直したい。


あの大きな桜の木の下で、寝転んだ無防備の君と二人で。



『初めまして』


自己紹介から初めて、そして君ににっこりと微笑むんだ。



そうすれば今とは違った"今"になっていたのかな。






夕方、『どこにいる?』と電話をしてきた先輩と一緒に先輩の家へとお邪魔する。


もう既にそこには何人か来ているようで、玄関には数足の靴が散らばっていた。



篤美あつみ~、智が来たよ~」


靴を揃えて脱ぐと、先輩がリビングらしい部屋に向かってそう声を掛け、そのまま返事も聞かずいつもの部屋に入って行ったのに続いて俺も部屋に入った。



先輩の声にパタパタと少し廊下が騒がしくなったかと思えば、次の瞬間にはバンッ――…という効果音と共に部屋のドアが勢いよく開かれた。


その勢いのまま部屋に踏み込んで来たのは、小さな女の子。



大きな目をきょろきょろと動かしている。



「いた!」


その瞳は俺を捉えていた。



「智ちゃ~ん、最近来ないから…」


涙を溜めながら俺に抱き付いてきた女の子を、俺は抱きかかえ、顔が同じ高さに来るまで持ち上げた。



「智ちゃん…寂しかったぁ」



か、可愛い…


潤んだ瞳。その下にある小さな唇は桃色に色付いている。



篤美ちゃん、5歳。


先輩の妹で、その年の差はなんと17歳。その所為か甘やかされて……もちろん俺も甘やかす側なのだけれど。それでも素直な良い子に育ってくれた。



会う度に可愛いと抱き締めては遊んであげていたからか、正直先輩より俺の方に懐いている。


先輩はそんな篤美ちゃんを、『面食い』だと称し、小さいながら流石私の妹だと感心していた。



小さな身体全部で抱き締めてくる篤美ちゃんを座ったまま抱き締め返し、俺の腕にすっぽりと納まるそのサイズにただひたすら心の中で『可愛い』と連呼する。


もう少し大きくなれば、俺にこういう風に抱き付いて来る事もなくなるのかと思うと少し寂しくなる。



「智ちゃん、篤美の事好き~?」


「うん、大好きだよ」


「本当~?」


先輩と同じ間延びした話し方の篤美ちゃんは嬉しそうに俺の首に腕をまわして、俺から離れようとはしなかった。



それはいつもの事で、誰も不思議には思わない。


皆も各自で話していたり、一人ゲームをしていたり、やっている事はここでなくてもできる事だ。



俺は専ら篤美ちゃんのお世話係りで、まぁむしろそれがしたいが為に俺はここへ来るのだけれど。



「きゃあ、可愛い~。お名前は?」


篤美ちゃんと幼稚園の話をしていると、アニメ声の女の子が俺の斜め向かいに座り込んだ。



そう言えば、先輩が可愛い後輩を連れてくるって言っていたっけ。



「…篤美、4…5歳になったの!!」


「5歳になったの?お姉さんだねぇ~」


小さな手の平を力一杯広げた篤美ちゃんの少し得意気な笑顔に、彼女は優しく微笑みを返していた。



好印象だった。子供が好きな人に変な人はいない。


可愛い上に笑顔が自然だった彼女の名前は、裕子ちゃんと言った。



「あのね、篤美ね、」


俺の膝の上に乗ったまま、篤美ちゃんは裕子ちゃんと嬉しそうに話し出した。



小さい女の子が喜んで見そうなアニメ、なんてよく分からない話をするから、もちろん俺は会話に入れず。



…結局考えてしまうのだ、梨紗の事を。思い出してしまうのだ、梨紗のあの真っ赤な顔を。


昨日まで一緒に帰って、傍に居る事の幸せを感じられていたのに。



けれど、俺が居ても居なくても、梨紗に変わりはないのだ。


俺が校門で待っていないのなら、梨紗は一人で帰るまでなのだから。



むしろ、俺がいない方が静かで良いと思っているのかもしれない。



たった、たった1日、顔を見ていないだけでこんなにも寂くなってしまう。


忘れるどころか、その存在がもっと俺の胸を焦がす結果になってしまった。



…帰ろう。


どうせここに居ても結局は梨紗の事を考えてしまうのだから。



「ごめん、俺そろそろ帰るね」


篤美ちゃんを隣にいた先輩に引き渡し、腰を上げると、



「あ、じゃあ私も帰ります」


裕子ちゃんも慌てて鞄を手に取り、立ち上がった。



「じゃ、一緒に帰ろうか」


ニコッと微笑むと、斜め下から先輩の楽しそうな声が飛んで来た。



「智、その子智とは道反対だけど、もう暗いから送ってあげてね~」


先輩の言葉に裕子ちゃんは慌てて首と手を振ったけれど、もちろん俺は最初から送って行くつもりだ。



もう結構暗いし、女の子を一人で帰らせる訳にはいかない。



「もちろん」


俺達は篤美ちゃんにバイバイと手を振って、先輩の家を後にした。






先輩の家を出ると、空には所々小さな星が浮かんでいた。


左に行けば俺の家。


右に行けばまず大学があって、家の場所を聞くと、裕子ちゃんの家は大学よりももう少し向こう側らしい。



俺達は右の方向へと足を進めた。



「先輩、ごめんなさい。道違うのに…」


「大丈夫だよ。一人で帰らせる方が心配だし」


本音を言ったまでなのに、裕子ちゃんは顔を赤くして俯いてしまった。



可愛いなぁ。


俺はそんな裕子ちゃんを微笑ましい気持ちで見ていた。



「私、先輩の事、たまに大学で見掛けてたんですよ」


「そうなの?」


「はい。いつも誰か探しているみたいにキョロキョロしてますよね」


「え、本当?」


他人から聞いて初めて自分が無意識にも梨紗を探して歩いていた事を知る。



俺がキョロキョロしながら歩いている姿を思い出して面白かったのか、裕子ちゃんはクスクスと声を漏らした。



「…恥ずかしい」


「ふふ、なんか可愛かったですよ?」


そんな何気ない言葉を交わしていると、前方に俺達が通っている大学が見えてきた。



そして、それと同時に。



「あ…、」


…――俺は見つけてしまったのだ。



校門に背を預けてすっかり暗くなった夜空を見上げている、君を。



どうして、居るの?大学はもう施錠の時間を迎えてしまっているのに。


梨紗の手元には、いつの日にか救急箱を取り出していた鞄があった。今日も救急箱は入っているのだろうか、と現実逃避にも近いどうでもいい事を思った。



「先輩、私今朝…」


何も知らない裕子ちゃんのアニメ声が妙に夜空に響いていた。



「…そうなんだ?」


梨紗には、一番見られたくなかった。



けれど、裕子ちゃんを一人置いて帰る訳にもいかず……俺は話し掛けてくる裕子ちゃんに気の抜けた返事をしながら梨紗の居る大学へと近付いて行った。



「あ…、」


そんな小さな声を漏らしたのは梨紗だった。蚊が鳴く程の小さな声に反応し、わざと逸らしていた顔が無意識にも彼女の方へと向いてしまった。



「……、」


「……」


いつの間にか顔を上げて俺を見ていた梨紗と目が合ってしまい、そして、そのまま視線を逸らす事もできず黙ったままその瞳だけはずっと交じり合っていた。



梨紗とは滅多に視線が合う事がないのに。何もこんな時に、合わなくてもいいのに。


そんなのは、完全に、見られたくない場面を見られてしまった事への八つ当たりだ。



「あの、…先輩?」


梨紗は俺の隣に居る裕子ちゃんに気付くと、動揺したようにその瞳を揺らした。



…どうしてそんな顔をしているの?


眉を八の字に下げて泣きそうな……先輩達に囲まれても泣かなかった君なのに。


その潤んだ瞳がこんなどうしようもない俺を捉えて離さない。



…梨紗。


今すぐに傍に寄って抱き締めたい。



そんな衝動に駆られたけれど、それをなけなしの理性で一生懸命食い止める。


だって、梨紗は、俺を好きじゃない。


例え泣いていたとしても、彼女が抱き締めてほしいのは、間違いなく、俺ではないのだ。



彼女の前を通り過ぎる時、合わせてすっと逸らした視線。



「先輩?」


「ごめん、…何でもないんだ」


不思議そうに顔を覗き込んで来た裕子ちゃんに、俺は情けなくも悲しい笑みを向けてしまったのだった。



そんな俺にやっぱり梨紗は声を掛けてくる事はなかったけれど、裕子ちゃんと歩きながら、俺はずっと、背中に梨紗の視線が突き刺さっているような気がしていた。






「…――ありがとうございました」


いつの間にか大きな家の前で裕子ちゃんが俺にペコッと頭を下げていた。



丁寧にお礼を言った裕子ちゃんがその家に入って行くのを見送って、……いや、少しフライング気味に俺は元来た道を走っていた。



自分でも何故走ってるのか分からない。


ただ、身体が勝手に動いているような感じだった。


まだそこに居るのかなんて分からないけれど……いや、居ない確率の方が高いけれど、俺はそこに向かって全力で走っていた。



結局のところ、本能では分かっていたのかもしれない。



今、誰に会いたいのか。


今、誰の声を聞きたいのか。






「…――梨紗っ」


いつだってその答えは君なのだから。



「…梨紗!」


やっとの思いで着いたそこ。校門の前には1本の街灯が寂しく立っているだけで、梨紗の姿はなかった。



呼吸を調える事もせず彼女の名を呼ぶ。



「梨紗?」


その声に返事はない。



肩で息をしながら辺りを見回してみるが、やはりどこにも梨紗の姿はない。



「……梨紗」


次第に声が小さくなっていったのは、もう帰ってしまったのだと悟ったから。



あの鞄は通学用だと聞いた事があるし、どこかに寄り道をしていた帰りだったのかもしれない。



「……」


所詮、こんなもの。



さっき俺は走りながら、絶対に梨紗はここで俺が来るのを待っていると何故か思っていたのだ。


そんな筈は、ないのに。


色んな思いが混合した何とも言えない複雑な気持ちに、俺は大声で泣きたい気分になった。



無意識に眉が八の字に下がっていったその時、ピロピロと――今の俺には不快に聞こえる機械音が、静かな夜空へと響いた。


俺はその不快な音源を早く断ち切ろうと、素早くポケットから震える携帯を取り出した。



…先輩だ。


画面に表示されていた先輩の名前を確認すると、俺は通話ボタンを押して電話に出た。



『…もし、もし?』


「……篤美ちゃん?」


先輩の声よりも高く少し稚拙な喋り方に、その声の主が篤美ちゃんだと気付く。



『うん、そうなの』


「どうしたの?」


篤美ちゃんだと分かると思わず声が甘くなったのに自分でも気付いて少し苦笑い。



泣いてしまいそうだった心も不思議と優しくなれていた。



『あのね、智ちゃん忘れ物してるの』


「え、そうなの?」


『うん、えっとね、リュック忘れてるの』


…あぁ、そう言えば俺持ってないね。



梨紗の事を考えていて少しぼーとし過ぎていたようだ。全然気付かなかった。



『お姉ちゃんがね、明日持っていくって』


「うん、ありがとうね」


先輩の携帯を奪って自分がしたいと駄々をこねる篤美ちゃんの姿を想像して、少し可笑しくて笑みが溢れた。



すると、「あのね、あのね」と続けられた言葉に「どうしたの?」と先を促しながらもそんな様子が可愛くてクスクス笑う俺に、篤美ちゃんはいつもの調子でいつもの言葉を吐いた。



『智ちゃん、篤美の事好き~?』


「え~、ここで言わせるの~?」


困ったな、なんて篤美ちゃんの間延びした喋り方を真似してみる。



『篤美は智ちゃん好き~』


可愛い事を言ってくれる。



そんな篤美ちゃんに、俺もいつものように、「篤美ちゃん、大好き」と言いながらも、嬉しさからか微笑みが隠せなかった。



『本当?やっ…――』


「――えっ…?」


突然篤美ちゃんの喜ぶ声が遠退いたかと思えば、何故か俺の耳元からは携帯が奪われていた。



携帯を掴んでいた右手が弾かれた方向に視線を向けるとそこには、俺の携帯を握り締めた梨紗が立っていた。


梨紗は通話をそのままブチッと切ると、俺を潤んだ瞳で睨み上げた。



一瞬の事で何が起こったのかさえも分からなくて、頭の中は真っ白で思考は完全に途絶えていた。



「え、え、」


目の前にさっき強く望んでいた梨紗が居る。そして彼女は手を伸ばせば抱き締められる距離に。



これは望みすぎた俺が生み出した幻影?



涙の溜まった瞳で俺を睨み上げている梨紗を、俺は唖然として言葉を失い、ただただ見つめる事しかできなかった。



「……本当に梨紗?」


「な、何してんのっ」


やっと出せた俺のまぬけな声は、本物らしい梨紗が発した小さな叫び声と重なって少し不協和音を生んだ。



それはこっちの台詞だよ。


梨紗のうるうるしている瞳を見て、心の中で呟く。



どうしてそんなに悲しそうな顔をしているの?



「毎日一緒に帰るんじゃなかったのっ」


「え?」


梨紗は我慢できず溢れ落ちた涙を俺に見せないように、俺の携帯を持った腕でごしごしと目元を拭いた。



その見えた一筋の涙さえも綺麗で、思わず見とれてしまった。



「待ってたのにっ」


「え……待ってたって、もう学校終わってから3時間くらい経ってるよ?」


「でも待ってたの!!」


泣いていても梨紗らしい強い口調は変わらない。



でも、



「え、…どうして?」


「馬鹿じゃない?貴方が言ったんでしょ、毎日一緒に帰るって…」


梨紗の言っている事、それは、俺には全く理解出来なかった。



毎日一緒に帰りたいと言ったのは他でもなく俺自身だけれど、梨紗は返事なんてしなかったではないか。



「…ってかもうそこはいいけど、」


「え、なん…」


「それより言いたい事ができたから!」


最後まで言わせず理由をくれる。少し怒っているような態度に、恐縮してしまった俺に、



「智、女の子と歩いてるしっ」


君は初めて智と呼んでくれたよね。



いつも貴方ばかりで名前を呼んではくれなかったから、こんな時だけれど、その事に嬉しくなったんだ。



「あたし無視して通り過ぎるしっ、篤美ちゃん大好きなんて言ってるしっ」


泣きじゃくる梨紗に果てを知らない愛しさが湧き出て来て、



「あんなっ、あんな甘い声出すなんて知らなかった…っ!!」


「梨紗」


「…っ!!」


俺は梨紗を強く抱き締めた。



梨紗。俺、自惚れてもいいのかな?君も俺と同じ気持ちだと。信じてもいいのかな?



「梨紗…」


「やだっ、離して!」


「離さない」


やっと捕まえられたのに離してなんてやるものか。



「篤美ちゃんが好きなくせにっ…」


「梨紗の方が好き」


「篤美ちゃんが大好きなくせにっ…」


「梨紗の方が大好き」


「嘘つきっ」


「嘘じゃないよ」


流れ続ける梨紗の涙を親指で拭ってやると、その奥の瞳と目が合った。




「…それに篤美ちゃんは5歳児だし、流石にちょっと」


「え?」


申し訳程度に言った俺の言葉に、驚いたように顔を上げた梨紗の瞳は大きく見開かれていた。



「…それで、さっきの女の子は梨紗と同級生で裕子ちゃんだって。知ってる子?暗くなってたから送ってただけだよ」


俺はやましいことなどないと分かってもらう為に、正直に答えた。



涙も止まってしまった梨紗は口をつぐんでいて、俺も口を開かなかった。



「……」


「……」


しばらくの間、変な沈黙が流れた後、



「…ごめんなさい」


恥ずかしそうに、でも拗ねた表情で梨紗は謝った。



俺の大好きな梨紗の顔。


俺がゆっくりと顔を近付けて行くと、梨紗は何をするのか分かったのか、口を両手で押さえてしまった。



「…嫌なの?」


「嫌って言うか…あたし、この間の…初めてだったんだから」


恥ずかしそうに呟いた梨紗が可愛くて愛しくて、



「あぁ、俺も初めてだったよ」


微笑んだ俺に、梨紗は再び吃驚したように目を見開いていた。



「嘘」


「嘘じゃないって」


信じていない顔で見上げてくるものだから、俺ってどんな男だと思われてるんだろう、と苦笑い。



そのまま梨紗の口元の手を握って、それをそこから離した瞬間、俺は梨紗に2度目のキスをしたんだ。



「…っ!!」


元あるべき位置へと戻った手は繋がったままで、緊張からか汗をかいてしまう。



「…これ、人生で2回目だよ」


ゆっくりと唇を離した俺に、不意打ちだったからか瞳に涙を溜めて俺を睨む梨紗。



あれこれデジャビュ?



「それに俺、梨紗と話す時の方が甘い声出してると思うんだけど?」


「…分かんない」


「きっとそうだよ。俺、梨紗が好きだもん」


ニコッと微笑むと、やっぱり梨紗は赤い顔を更に赤くして睨んできた。



そんな梨紗に、



「梨紗は?俺の事好き?」


笑いながらいつかと同じ質問をする。



「……うん、好きだよ」


「俺の方がもっと好きだ」


思いきり抱き付いたのは、嬉しくて泣いちゃいそうになった顔を隠すため。



胸にツンッと心地の良い痛みが広がり、それが余計に涙を誘った。


いつからなのかは分からないけれど、梨紗は俺の事を好きになっていてくれたのだ。



赤い顔を隠すように俯いた梨紗が本当に可愛くて愛しくて大好きだと思って。


思わず、人生3回目のキスをしてしまったのだった。

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