第1話

「きゃぁぁ!!せんぱ~い!!」


「今、目合ったよ!!どうしよう!!きゃぁぁ!!もう死んでもいい!!」


「柏木せんぱ~い、こっち向いて~!!」


「もぅ格好良過ぎ!!鼻血出る」


「智~まじ可愛いんだけど~!!」


今日もたくさんの黄色い声を浴びながら、俺、柏木ともは登校していた。



「……」


その反応に満足して無意識に口元がにやけるのを隠しもせず、俺は見えてきた赤茶色い煉瓦造りの校舎を目指す。



今日も俺はモテモテで、先輩からも後輩からももちろん同級生からも熱い視線が飛んでくる。


自惚れとかではなく、本当に。


自分の顔が他人のそれより整っていると自覚している俺は、何故か『ナルシ』なんて言われるのだけれど、この大学一の人気者である事実に嘘偽りはない。




校舎に入ると、黄色い声の中に挨拶の声が増え、俺は笑みを浮かべて手を振り返していった。



「きゃぁぁぁぁ!!」


奇声がより一層大きく校舎に響く。



この瞬間が一番好きだった。


皆が自分を見ているこの快感。別に目立ちたい訳ではないのだが、目立ってしまうのは全然構わない。


女の子に見られると悪い気なんてしないし、むしろ嬉しいのが本音。



けれど、嬉しいと思うのはもちろん"ポジティブな視線"を貰った時だけ。


やっぱり全員が全員、俺に騒いでくれる筈もなく、俺と俺を取り巻く女の子達に、うざそうな迷惑そうな…そんな視線を向ける子達もいるのが現実だ。


だけどそれも仕方ない事だとちゃんと理解しているから、そんな子達の事を悪く思ったりなんてしない。


まぁ『智くんっていいな』って思ってくれたなら、それが一番良いのだけれど。



その"智くん反対派"の中でも一際俺の目を奪ったのが、




…君だった。


黒く長い髪が風になびく度にうざそうに顔を顰めていた君。



俺への奇声なんか聞こえないように、その存在自体までもを無視しながら、自分の目的の場所まで真っ直ぐに歩いていた。


その後姿からも可憐で繊細さが分かるような…そんな女の子だった。



「…なに、あの子」


俺はただ、俺の存在までも否定してるような君に少し腹が立ったのだ。



この時初めて、うざそうな視線を向けられる事がまだ良い方なのだと気付いた。


あの視線だって俺の存在を認めているから成り立っているのだ。



俺は彼女が消えていった方向を無意識に立ち止まってしばらく見つめていた。


俺に目も向けない君を……君の心を奪ってやりたいと強く思った。




それからすぐに君の名前を聞き出した。


稲生いのう梨紗。綺麗な君によく似合う綺麗な名前だと思った。


他にも、2年生だとか。サークルには入っていないだとか。物忘れをよくするだとか。


くだらない事でも何でもいいから、とにかく聞き出した。



君の事をもっともっと知りたくて、色んな奴に探りを入れて、……今思えば俺はこの時から――こんなに初めから――君の事が気になっていたんだね。


だけどこの時はまだ、自分の気持ちに気付きもせずただ無意識に君を求めていただけだった。




初めて女の子の事で動いた俺を見て何を勘違いしたのか、



「最近お前、リサのこと探ってんのな。惚れたの?」


いやらしい笑みを浮かべたのは、同級生の隆太りゅうただった。



男にしては背が低くて髪をツンツンにしている隆太は、見た目の可愛さからは考えられない程のちゃらい奴で、女の子みたいにすぐ顔を赤くするけど、やる時はやる男…って自分で言っている。


まぁ男の俺からすれば、良い奴なのは確かだと思う。



「なぁ、惚れたんだろ?」


無視しててもしつこく聞いてくる隆太に一言「違うよ」とだけ返す。



断じて惚れてなんていない、ただどんな子なのか気になるだけだ。



「じゃあなんで調べてんの」


「だって、俺を見ないなんて……ムカつくじゃん」


「うわ、出た!智のナルシ!!」


「本当の事だし」


実際俺、格好良いし。



だからきっと、梨紗がその瞳に俺を映してくれないから気に入らないだけなのだ。



「…――まぁ実際にリサ、お前に惚れてんだけどな!」


突然の隆太からの告白に、一瞬その言葉が理解できず、



「え?本当?」


半拍遅れてその言葉を口に出す。



「おぅ。イノウリサだろ?俺本人から聞いたから。んでお前が探ってんのもリサだったような気がしてな」


「うん」


「両想いだったら教えてやろうと思ったけど…違うんだな!!まぁ、お前が他人に惚れるわけねぇか!!自分が一番好きなんだもんな!!」


最後の言葉は余計だと思いながらもあながち嘘でもないから何も言わず無視して、俺は傍に置いてあったいちごオレを手に取った。



へえ、梨紗って俺のこと好きなんだ?


ストローに口を付けながらも、その口元がにやけていることに俺は気が付かなかった。






――次の講義がある場所は別校舎の一番奥だった。


お気に入りのリュックを背負いそこへ向かっているとお決まりの声。



「やだ、柏木君だよっ」


「本当だ、格好良い~」


先輩や後輩とは違って、同い年だからか遠慮気味に俺を見る同級生。



彼女達に視線をやると、一人が真っ赤な顔をして俯いてしまった。



…可愛い。


女の子のそういういじらしいところが好きだ。



それに女の子って、白くて柔らかそうで……男にはないそれに興味もわく。


だからどれだけ煩わしく思っても邪険にはできないのだ。




別校舎に足を踏み入れ、そのまま奥を目指していたその時。



「…ね、梨紗」


「うん。分かってるよ」


無意識にも待ち望んでいた君が、目の前に現れたのだ。



…梨紗だ。


頬が上がったのにも気付かず、ただ必死に梨紗の姿を瞳に焼き付けていた。



「…あ、」


梨紗の友達だろう可愛い女の子は俺を見て嫌な顔をしたのだが、まだそっちの方がいい。



梨紗なんて、俺を見もしないのだから。



「ねぇ、智~今日遊ぼうよ~」


甘い声を出して俺の腕を掴んできた先輩を傷付けないように上手くかわし、俺は校舎を出て行った梨紗の後を追ったのだった。






校舎を出てきょろきょろとその姿を探すと芝生になっている広いそこに梨紗はいた。


途中で友達と別れたのか、一人でこの大学で一番大きい桜の木の下を陣取っていた。


寝転がって目を閉じている事からして、あんな所で無防備にも寝てしまうのかもしれない。


俺はそんな梨紗に声を掛けようと近付いて行ったのだが、



「……っ」


余りの綺麗さに見惚れて何も口にする事ができなかった。



目を瞑って寝転んでいる梨紗と、その上から散り始めている桜の花びらとの画がとても綺麗で、後3メートル程の距離だというのに足が止まってしまった。


恐る恐るその領域に足を踏み入れたのは、やっぱり俺が梨紗との関わりをどうにかして手に入れたかったからなのかもしれない。



「…ねぇ、梨紗でしょ?」


目を瞑っていた梨紗は、突然声を掛けられて驚いたのか、少し肩をびくんと揺らした。



そしてゆっくりとその瞼を上げると、俺を見上げた。


すぐ傍に立っている桜の木からは花が舞い落ちていて、その綺麗な瞳と視線がぶつかった時、風がぶわっと吹いて俺の頬をピンク色の花達が撫でていった。



想像していたよりも薄茶色い梨紗の瞳は俺を見据えていて…



「…だから?」


その表情は何も感じない人形のようだった。整った顔立ちだからと言うよりは、その雰囲気が俺にそう感じさせたのだ。



君の第一声は、そんな言葉だった。


可愛い声して冷たい言葉を吐くのだから、俺は少しの間吃驚して声が出せなかったんだよ。



「……」


「…ちょっと。向こう行きなさいよ」


その場から一向に立ち退こうとしない俺に痺れを切らした梨紗は、その表情を隠す事なく歪めた。



あぁ、良かった。ちゃんと感情豊かに動いた。君は何も感じないマリオネットなんかじゃなかったんだね。


そう思ってしまった俺は、すでに君の美しさに囚われてしまっていたのかもしれない。



「…寝るの?」


「……」


「この時間、講義ないんだ?」


とっくに講義の時間は始まっていて、結果俺はそんな事も気にせず梨紗に必死で話し掛けている。余裕なフリをしながら。



梨紗は鬱陶しそうに俺を睨んでいたけれど、そんな事気にせずにこにこしている俺を見て諦めたのか、俺を放って寝る姿勢に入った。


こんな所で、しかも男の傍で寝ようとするなんて無防備過ぎる。


目を瞑り直す梨紗にわざと声を掛けてやるけれど、



「梨紗。俺も隣で寝ていい?」


「……」


予想通り返事は来ない。



どうやら無視を決め込んだらしい梨紗の隣に、俺は勝手に寝転んだ。



「…ちょっと。わざわざあたしの隣で寝なくてもいいじゃない」


それにやっと反応してくれた梨紗は、やはり俺を見ない。



「……」


その態度にムッと、少し腹が立ったから意地悪く本題に入ってやろうと思う。



俺は勝ち誇ったような笑みを携えて口を開いた。



「梨紗、俺の事好きなんでしょ?」


隆太から聞いた事実。



本当は仲良くなってから告白させてあげようと思っていたのだけれど、梨紗がそんな態度をするから意地悪したくなってしまったのだ。


本当は話し掛けられて嬉しいくせに平静を装う梨紗の照れた顔を見たかったのかもしれない。



「はぁ?」


梨紗は心底馬鹿にしたようにうざそうな声を出し、それをその綺麗な顔全面に表す。



照れたように頬を赤く染めた顔、と言う俺の予想は崩れ去った。どうやら梨紗は少し手強いらしい。



「な訳ないでしょうが。今貴方に初めて会ったのに」


そんな態度したって、俺はもう知っているのに。



「貴方じゃないよ、智」


「知らないわよ、そんなこと」


年下のくせに生意気言う梨紗に、『俺一応先輩だよ?敬語は?』と、本当はそんなの気にしないのだけれど言ってみれば、『あたしは認めた人にしか敬語使わないの』なんて、もっと生意気な事を言われる。



しかも、最初以降俺に視線をくれない。


俺はずっと梨紗を見ているのに。



「梨紗、こっち見てよ」


梨紗の態度が照れ隠しなのを分かっているから、俺の口元には余裕気に微笑みが描かれていた。



だって梨紗は俺に惚れているのだから。



「梨紗」


梨紗は一向に俺を見ようとせず、ずっと瞼を閉じたまま。開ける気配さえも感じない。



「梨紗?」


「……」


「……、」


「……」


「…まさかとは思うけど、寝たの?」


「……」


そのまさかであり、少し唖然。



よくもまあ、好きな人の目の前でそんなにも堂々と寝れるものだ。


俺も男なのだから少しは身の危険を案じなさい、と心配になるのだが、それによって俺も堂々と梨紗の顔を観察できるのだから、今日のところは不問にしよう。



じろじろと食い入るように不躾な視線を向けていると、「ん…」と小さく声を漏らして眉間に皺を寄せた梨紗。


少しびくりと肩を震わせてしまったけれど、起きる気配はなかったからほっと安心の溜め息。



「……」


白くて柔らかそうな頬を思わず突いたら、やっぱり予想通り柔らかくて、心がぽわあと温かくなった。



やっぱり女の子って可愛い…


抱き締めたくなる。




…――俺は梨紗の隣で、いつの間にか眠ってしまっていた。






「…――っと!!」


「んー?」


「ちょっと!!離してってば!!」


「まだ寝る~」


「こら、離せ!!」


「…へ?」


瞼を上げると至近距離に梨紗の綺麗な顔が映って何事かと驚いたて少し距離をとると、梨紗は顔を赤くしながら怒った。



どうやら寝ている間にクッションのように抱き締めてしまったようだった。



「信じらんない!!貴方って本当…」


「ごめんごめん。なんか気持ちよく寝れたと思ったら、どうりで」


「…っ!?有り得ない!!最低!!」


「…でもこんなことしたの梨紗が初めてだよ?ダメなの?」


「ダメに決まってるでしょう!!そういうのは恋人同士がするものなの!!」


「えー…じゃあ梨紗、俺と付き合ってよ」


「…っ!!」


どうせ梨紗は俺が好きなのだから。



上半身を起こして一瞬固まった梨紗に、俺も身体を起こしてその上気した頬に手を添える。



「ば、馬鹿じゃないの!?あたし、そういう軽い男大嫌い!!」


「照れちゃって」


「照れてない!!」


暴言を吐きながら触れた手もばしっと無遠慮に振り落とされる。



「なんなの、その余裕ぶった微笑み!!」


「いや、梨紗がね。こんなにも俺と目を合わせてくれてるって事が嬉しくて」


「あたしは怒ってるの!!馬鹿な事言わないで!!」


始終にこにこしている俺に呆れたのか諦めたのか、梨紗は大きな溜息を洩らした。



「…もう。貴方の所為でさっきの講義行けなかったじゃない」


「え?さっきの時間、講義なかったんじゃないの?」


「え?……あぁ、そうだった」


きょとんとした後、その事実を思い出したのか、梨紗はしゅんとして、



「ごめんなさい」


けれど拗ねたように口を尖らせて謝罪の言葉を口にした。



余りの可愛いさに無意識にその唇へと視線がいってしまう。



食べたい…


俺の視線に気付いた梨紗は、すっと真顔になって『貴方変態なの?』と好きな人を変態扱いしてきたのだが、その頬が赤い事に俺は気付いていた。



彼女こそが俗に言う"ツンデレ"なる者なのかもしれない。


"ツンツン"しかされていないような気がしないでもないのだけれど。



その後はお昼時だったからご飯でもと誘ってあげたのに、お得意の"ツンツン"で断られてしまった。


最後に『貴方、変な人よ』と不可思議な言葉とその言葉に呆ける俺を残して、梨紗は去って行ってしまった。






その日をきっかけに、俺は梨紗を見掛けると話し掛けるようになったのだ。


けれど梨紗は一向に俺に気持ちを打ち明ける事もせず、ずっと鬱陶しそうに俺をあしらっていた。



「梨紗、あ、ちょっと……無視しないでよっ」


「……」


ばったり出くわした廊下で完全に無視して俺の横を通り過ぎた梨紗を追う。



「梨紗次何?」


「…」


「あ、音楽?」


隣を陣取った俺は、梨紗の持ってる教材に目を向けた。



「…違うわよ、美術」


「え?梨紗、持ってくる教材間違ってるよ?」


俺が梨紗が持っている音楽の教材を指差すと、梨紗は面倒臭そうにそれに目を向けた。



「……あー、合ってる。うん、次音楽だった」


梨紗は決まり悪そうに音楽の教材を持ち直した。



確かにその足は美術室の方向を向いていて、梨紗は方向を変えると、音楽室に向かって行った。


音楽室は俺の行く方とは別だから、俺が梨紗に付いて行く事はなかったけれど。



梨紗って天然?


その後ろ姿を見つめながら、天然疑惑が生じた彼女もやはり可愛いなと思ってしまった。



いつの日だったか、物忘れをよくするとか聞いたのだが、梨紗のそれは物忘れというより天然ボケのそれだと思う。


音楽の教材持ちながら美術室向かうってどうなの、なんて思いながらそれさえも愛しく感じてしまうのだ。



梨紗と出会ってから俺の価値観が少し変わったような気がする。


他の女の子を見ても、可愛いなとは思うけれど、それ以外はどうも思わなくなっていた。


黄色い声を浴びても、前のような嬉しさがない。



この時にはすでに、俺が望むのはただ一人、君だけだったんだよ。






次の空き時間も偶然梨紗と出くわした。


もうこれは運命なんじゃないかな、なんて思って、少し笑いながら梨紗に声を掛けたのだが、



「…何笑ってるのよ、気持ち悪い」


当の本人は怪訝な視線を寄越して俺の横を通り過ぎるばかり。



俺は人生で初めて言われた否定的な言葉に、少しショックを受けて追いかける事ができなかった。


照れ隠し…なんだと思う。


しかし最近少し疑問に思ってきたのだが、照れ隠しにしては酷過ぎやしないか。


俺を好きにしては、そんな素振りは一切見せないし。



…もし梨紗が俺を好きじゃなかったら?


そう考えると酷く寂しくて、だけどどうしてそんな感情が生まれるのか分からなくて、俺はそう考えるのが嫌で素直に聞いてみる事にしたのだった。






「…隆太、俺に嘘ついた?」


「は、何?」


俺の言葉に隆太は持っていた携帯から俺に視線を移した。



その瞳がさっきの講義中もずっと画面に夢中で、よそ見さえしなかった事を俺は知っている。


きっと女の子とメールでもしてるに違いない。



「稲生梨紗。俺に惚れてるって本当?」


「おぉ、マジだし。なんなら今から聞いてやろうか?」


隆太は携帯を俺に見せつけると、ゆらゆらとそれを振ってみせた。



「……うん」


俺は少し不機嫌な声で頷いた。



隆太の態度が気になった訳ではない、隆太が何故梨紗の携帯番号を知っているのかが気になったのだ。


少し睨みつける俺に気付かない隆太は、俺の前で携帯を耳に当てた。



「あ、変なこと言わないでよ?」


「分かってるって」


それを監視するように、俺はじっと隆太を食い入るように見つめた。



「…もしもし?俺~、うん。あのなお前、今誰が好きなんだっけ?…今でもそう?…あー、分かった。いや、何でもねぇ。んじゃあな」


用件だけを聞き出した隆太は、ぴっと電源ボタンを押して通話を切ると、携帯を鞄の上に放り投げてから俺を見た。



「…なんて?」


その瞳に、ふいに不安になってしまって、恐る恐る催促の言葉を口にする。



「お前が好きだってよ」


そんな俺にフッと少し寂しそうにも見える笑みを浮かべながら吐かれた言葉に、



「ふーん」


俺はドクンと心臓が跳ねたのを気付かれないように、素っ気なく視線をそらした。



やっぱ好きなんじゃん。


あの態度が素直になれないから出てくるのだと思ったらつい緩んでしまう口元を、必死に隠すようにぎゅっと唇を結んだ。



でも梨紗が隆太に好きな人を教えるなんて……一体二人はどういう関係なのだろう。


梨紗だから余計にそう思ってしまうのだろうけれど。



俺はまた携帯に没頭しだした隆太に怪訝な視線を向けた。


確かに隆太は格好良いと思うけど…まあ正直数万倍俺の方が格好良い。


梨紗には絶対隆太より俺の方が似合うと思う。



どんな関係か分からないけれど、幸せにできるのは俺だ、なんて無意識に梨紗と仲が良いらしい隆太に対抗していて。


もちろん脳内でのその勝負は俺の圧勝なのだけれど。



うん、やっぱり俺のが梨紗に相応しい。


…相応しい、なんて。大好きな自分を梨紗より下に見ている事にも気付かず、一人満足して頷いた俺を隆太は変な目で見ていた。

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