第3章

第23話





お昼の新幹線で東京に戻り、その足で会社に向かった。

デスクには溜まった仕事が、残ってありガックリ肩を落としていると、小野田さんが、




「お疲れさま。佐々木先生から藤崎さんのおかげで原稿間に合わせることが出来たって連絡あったぞ」



「先生が…」



「今日は自分の仕事片づいたら帰っていいぞ。明日は休みでいいから」



「でも、井村先生の所に行かなきゃいけないので、」



「あーそれ、たまには俺が行くわ」



「……………」



「何かあんのか?」



「いいえ、大丈夫です。ありがとうございます。よろしくお願いします」



「ん?何かテンション下がったな、そんなに行きたかったのか?だったら、」



「い、いえ、よろしくお願いしますっ」




小野田さんに変な詮索される前にデスクに戻った。




「ハァー」



「でけぇーため息つくな」



「スミマセン」




思わず出たため息を隣席の先輩、仲川さんに窘められてしまった。明日休める人間が先輩の仕事の邪魔をして申し訳ないという気持ちを込めて謝る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る