第19話

「え、そうなんですか!昨日、らなちゃんのお弁当の下ごしらえしてるのを見て手際の良さにびっくりしたんです。でも、ちゃんと家事分担してくれるのって理想です」



「フフ、本人に言ったら喜びます。褒められて伸びるタイプの典型みたいな人なので」




そう言って笑った先生は幸せそうだった。

今回は緊急事態で原稿が間に合わなくなりそうだったけど、先生はこれまで遅れたことはない。

それは、旦那さんのこうした協力があってこそなんだと思った。




好きな人と一緒に生活するって幸せなんだろうなと思った。

亜沙美に言ったら、まずは柾木さんへの推し活じゃなく、行動してから言えと叱られそうだけど。




先生は執筆を再開して、私はらなちゃんと保育園へと向かった。




「はぁ~」



「ん?らなちゃんどうしたの?具合悪い?」



「ううん、わるくない……あのね、おてがみもってきたんだけどね……」



「渡すの緊張する?」



「うん……わたせるかな……」



「そっか、らなちゃ、」



「ら〜なちゃ〜んっ!」

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