第18話
「そんなご迷惑かけられないですっ」
「羅奈、明日藤崎さんと保育園に行くって言ってるらしくて………、ご迷惑でなければお願いします」
「らなちゃんが……嬉しいです。では、お言葉に甘えてよろしくお願いします」
佐々木先生のお宅の客間に布団を敷いていただいたものの、未だ執筆中の先生を残して自分だけ寝るなんて到底できず、先生が区切りがついた深夜3時頃、私も眠りについた。
初めてお邪魔したお宅にも関わらず、すぐに深い眠りにつけた。
次の日の朝、スッキリ目覚めて天井を見ながらさっきまで見ていた夢を思い返す。
その日の夢は、らなちゃんと昼間話したからか、自分の幼稚園時代の夢だった。
自分の記憶にはない事の夢だった。
仕事だけの一日に反して、なんだか穏やかな夢だった。
「おはようございます」
身支度を整えてリビングに向かうと先生はもう執筆中だった。
「おはようございます、起こしちゃいました?まだ早いのでゆっくりしていて大丈夫ですよ」
「いえ、朝食の準備させてください」
「いえいえ、そこまで甘えられないですし、朝食は夫の当番なので大丈夫ですよ〜」
「そうなんですね。食事を作ってくれるなんて私の理想的な夫婦像ですっ」
「フフ、結婚前は料理なんて全然出来ない人だったんです」
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