第14話

東京駅で先生への手土産を購入してから、東海道新幹線に乗り、座席につくとため息が出た。 

大阪は大好きな街だ。

こんな形でなければ気分も違っただろう。

佐々木先生は朝一で、




【藤崎様

 

 いつもお世話になっております。

 本日締切の原稿の件ですが、

 事情があり、本日中には出来かねます。

 大変申し訳ございませんが、

 明日夜までには必ずお送りいたしますので、

 なにとぞ、ご容赦くださいますよう

 お願いいたします。 

 

 佐々木】




なんて、ご丁寧な文章でメールを送ったいただいたっきり連絡が取れなくなった。

必死で原稿を執筆中であることには違いない。

しかし、事情というのが気になる。

作家の先生が健全に原稿が書けるように配慮するのも私の仕事だ。

もし、原稿が書けないような状況であればそれも含めて確認して話をした方がいいだろう。




大阪まで、旅行であれば長く感じたであろう乗車時間も色んな事を考えていたからか今回はずいぶんと短く感じた。

新大阪駅に着き、電車を乗り換え、佐々木先生のご自宅がある豊中へと向かった。

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