第8話
「藤崎〜」
「はいっ」
私のデスクの島を見渡せるところに鎮座する、上司の小野田さんから呼ばれた。
「井村先生の次っていつから動き出しそうなんだ?」
「先週に刷り上がったのをお持ちした時は構想はあるとはおっしゃってました。でも少し時間が欲しいって言われました……」
「そうか。これ、編集部からって持っていってくれ」
「はい、わかりました」
思いがけず、先生の所に行く予定が出来た。
つまりは柾木さんのお店に寄れるかもしれないということだ。
早速、井村先生の予定を確認するために連絡をした。
すると、来週の水曜日夕方ならとのことでアポが取れた。
ドキドキしながら昼休みに柾木さんのお店の営業日を確認すると来週水曜日は奇跡的に営業日と重なっていた。
これは運命なのかもと感じるほど私は浮かれていた。
これでまた来週水曜のために仕事をがんばれる。
ニヤニヤとしてしまいそうな気持ちを必死に抑えて午後の仕事を乗り切った。
◇
「まったく、相手はアイドルじゃないんだからねっ」
「…………だって、仕方ないじゃない」
同期で別の部署の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます