第4話

「でも俺今日委員会なんだよねー」




そう呟けば、自分の席で鞄の中身を確認する小崎へチラリと目を遣った友人が、ニヤニヤしながらわざと聞こえるよう声を張って言う。




「おい川辺、お前ほんとドンマイだよな」



「本当だよな」



「今からだろ?」



「もうサボれよ。行かねーでいいじゃん」



「んなこと言ったってなー、体育委員の係、柴センだぜ?」



「うわ、それは無理だわ」



「だろー?お前代われよ」



「いいじゃん、そんなのアイツに任せれば」



だけどそれに、なんだかむかついた。




最初にアイツを見つけたのは俺なのに。

なんで他の奴等が小崎を「アイツ」呼ばわりしてるんだよ。




――なんて考えたところで、それをコイツらに言うなんて俺のプライドが許す筈もなく。




「まあ、初めからそのつもりだしな」



そう、余裕ぶって笑う自分にも腹が立った。





小崎が俺達を避けるように静かに教室を出ていったのを目の端で確認し、自分の中に暗い感情が溜まっていくような気がした。

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