第4話
「でも俺今日委員会なんだよねー」
そう呟けば、自分の席で鞄の中身を確認する小崎へチラリと目を遣った友人が、ニヤニヤしながらわざと聞こえるよう声を張って言う。
「おい川辺、お前ほんとドンマイだよな」
「本当だよな」
「今からだろ?」
「もうサボれよ。行かねーでいいじゃん」
「んなこと言ったってなー、体育委員の係、柴センだぜ?」
「うわ、それは無理だわ」
「だろー?お前代われよ」
「いいじゃん、そんなのアイツに任せれば」
だけどそれに、なんだかむかついた。
最初にアイツを見つけたのは俺なのに。
なんで他の奴等が小崎を「アイツ」呼ばわりしてるんだよ。
――なんて考えたところで、それをコイツらに言うなんて俺のプライドが許す筈もなく。
「まあ、初めからそのつもりだしな」
そう、余裕ぶって笑う自分にも腹が立った。
小崎が俺達を避けるように静かに教室を出ていったのを目の端で確認し、自分の中に暗い感情が溜まっていくような気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます