第3話

俺は小崎に嫌われていると思っていた。


だって毎日あんなに笑い者にしてるし、いつもあいつは俺を避けて通る。


そこに声をかけるのがたまらなく楽しいんだけれど。





だから小崎と同じ体育委員になったときは最悪だと思ったし、仕事は全部あいつに任せればいいやとも考えた。




俺は別に小崎秋が嫌いではない。でも俺を嫌ってるやつと同じ仕事をするのは何だか面倒だ。まあ、自業自得なんだけど。









「なあ、今日カラオケいかね?」



「お、いーねえ。行こうぜ」



「俺、割引券持ってんだけど」



「割引券とかカーチャンかよ」



「じゃあいらねーのかよー」



「冗談だって」





ほら、俺が放課後カラオケに誘っても、今日委員会じゃないのか、なんて聞いてくる奴は一人もいない。



コイツらは俺と小崎が体育委員だとわかってるからこうなのだ。


小崎に任せればいいと。



そういう暗黙の了解みたいなものがあるのだ。

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