第11話
マナと私の間で、ヒロトの話題はタブーのようになっていて。
あれから、お互いその話に触れることはなかった。
そしていつの間にか。
年を重ね。
それぞれ、全く違う恋をして。
あの出来事は、過去のことになったはずなのに・・・。
私だけ。
ずっと過去に囚われたままだった。
マナと違って、告白する勇気もなくて。
自分の気持ちに正直に向き合うこともできなくて。
ヒロトに対する気持ちを、いつまでも終わらせることができないまま引きずっていた。
新しい恋をしたつもりになっていても。
どこかにずっと、ヒロトに対する気持ちが残ったままだった。
あの時告白していたら、私たちはどうなっていた?
あの時電話していたら、私たちはなにか変わった?
そんなありもしない想いを抱え続けて。
ふと気づくと、いつも彼のことを思い出していた。
あれからずっと、ヒロト以上に好きになれる人に出会えていない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます