第10話

だから、マナに聞かれた時、咄嗟に嘘をついてしまった。




『私は、友達としか思ってない』




マナの質問に、そう答えていた。





あの時の、マナの表情が忘れられない。




泣いてしまいそうな顔で。


悲しそうに、小さく笑った。





ねぇ、マナ。



マナは、あの時。



私の本音を聞きたかったんだよね。






あの後、マナはヒロトに告白したらしいけど。

私は、その事実を彼女から直接聞いていない。


告白して断られたということを、後日ミサトから教えられた。

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