第4話

「向日葵ちゃん、友達になってくれない?」


もう一度、聞こえてきた声に鈴音をじっと見つめた。ふんわりと笑う彼女から視線を逸らせないでいた。


私に近付いてくる鈴音から視線を外せないでいた。


「向日葵ちゃん、友達になってくれない?嫌かな?」


私の手を取り、優しく笑う鈴音から目が逸らせない。


「私、友達がいないの。駄目?」


「でも私は鈴音さんに酷い事を………。」


「言ってない。向日葵ちゃんの気持ちが分かるから。突然、目の前に現れた私を信じられないんだよね?」


「鈴音さん?」


温かい手が私の手を繋いだ。


「琉生の大事な幼馴染みなんでしょ?私を信じられないのは分かる。でも私は琉生を本当に好きだから。」


優しい綺麗な瞳が私をじっと見つめる。


「友達になってくれない?ここで一緒に過ごしてくれない?」


鈴音さんが困った顔を見せる。私はじっと彼女を見つめた。


「でも琉生君には…………。」


「向日葵、友達になってやれ。」


琉生の声に視線を向ければ、さっきの冷たい瞳はなく、いつもの優しい瞳に変わっていた。


「琉生くん?」


「鈴音は俺の女だ。それを忘れなければ、友達になってやれ。」


「……………。」


「守るのは鈴音だ。向日葵は新や悠人達に任せる。それでも良いなら、友達になってやれ。」


琉生から鈴音に視線を向けた。優しい瞳が私の凍り付いた心を溶かしていく。


「琉生くんは残酷だね。」


「えっ?」


「琉生くんは残酷だね。でも鈴音さんの友達になるよ。二人の本気を見せてもらう。」


鈴音さんの瞳が真っ直ぐに私に向けられる。彼女の琉生に対する本気が見える。


琉生に視線を向ければ、口角を上げて私を見つめていた。


「二人の本気を見せてもらうから。」


私は口角を上げて二人を交互に見つめた。愉しそうに私を見る琉生、真っ直ぐに私を見つめる鈴音に、更に口角を上げた。

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