第77話

「だったら斎藤さんは常に切り捨てで計算しましょう。私は常に切り上げ。そしたらあら不思議いつでも同い年もしくは私が年上」

「……おめでたい脳内ですね。そんなもんですか」

「そんなもんです、年齢なんて」



斎藤さんはふっと笑った。

そうかー、そんなもんかー、そうかもなー、とふわふわ一人言を呟く。


そして今度は、真顔ではなく笑顔で、だけどやっぱりどこか真剣味を帯びた表情で、


「つまり前原さんって、僕のことが好きなんですよね?」


と、私の心臓をこれ以上おかしくさせるような台詞を言い放った。



「うっ……」

と、心臓を撃ち抜かれた私を楽しそうに見ている。



「そうです。……す、き、です」

「僕も好きですよ」

「はは……は?」



ちょっと待って?何今のさらっとしたやつ。

お?ん?



「好き?」

「好きです」

「本当に?」

「本当に」

「本当に本当にほんっとーにですか?」

「本当に本当にほんっとーに」

「盆栽より、リッチコンソメのポテチより?」



斎藤さんはふっと笑って

「当たり前です。比べる対象そんなんで良いんですか」

と私の目を見た。


そんなんって、そんなんって、だって盆栽とリッチコンソメは斎藤さんの大好きなものなのに。

私はそれ以上ってことで、良いんだろうか。



「それって、かなり嬉しいです……」



両手で頬を押さえて小さく呟いた。

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