第42話

ちっちと別れたあと集合場所の駅まで着くと、既に富井くんが待っていた。


うーん、お洒落だ。

良かった、ジャージで来なくて。



「富井くん、お待たせしました」



声をかけると、びくんと反応した。



「百合ちゃん、おは、おはようございます」

「あ、おはよう」



暫く二人の間に沈黙が流れたかと思えば、富井くんは「びっくりした、あんまり可愛いから……」とおずおずと言った。


大好評だ。



「これね、友達が貸してくれた。あ、いつも側に居る子。ジャージで行っちゃ駄目だよって言うから」

「ああ、百合ちゃんのことまえほっぴーって呼ぶ、女の子の方?」

「そうそう。あの子はちっちって言うの」

「仲良いよね」



話しながら、試写会のハガキを見ながらその会場まで歩く。

あまり遠くはなさそうだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る