第40話

「ねぇちっち、これパンツ見えないよねー?」

「見えない見えない。ていうか見えたらその時はその時!」

「ちょっと何それ!」



騒ぎながら家を出て、鍵を閉めていたとき。

隣からもガチャ、と音がした。



「斉藤さん?」



声をかけて、目が合う。



「ああ前原さん、今日も相変わらずジャー……ジじゃない!どうしたんですか!」



斉藤さんは後退りしながら驚いた。


そこまで驚かなくても良いだろうが、と思ったけど、多分斉藤さんが私のこんな姿を見たのは初めてだから仕方ない。



「ど」

「可愛いですね」



どうですか。私がそう聞く前に斉藤さんはさらりと言いのけた。いつものあの笑顔で。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る