第5話
「僕からも一つ質問良いですか?」
「あ、どうぞ」
「前原さんは女子高生ですよね?」
「いかにも」
「制服以外ではジャージ姿しか見掛けないんですが」
「そうでしょうね」
「お洒落して出掛けることはないんでしょうか?」
ちなみに私は今もジャージ姿だ。
膝こそ破れていないものの、膝の布はスカスカ。
「つまり華の女子高生がデートだのしてる雰囲気が一切ないがそれは大丈夫なのかということですか?」
「まあオブラートを消し去ればそういうことです」
斉藤さんとは挨拶程度でしか言葉を交わしたことはなかったけど、そうか、顔を合わせる度にそう思われていたのかもしれない。
「腐っても女子高生ですから」
「ほう」
「その気になれば男の一人や二人ちょろいですよ。……多分」
「その気とは?」
「パンツ見せるとか」
「それはいちころでしょう」
斉藤さんはクスリと笑ってまたコーヒーを口に運んだ。
私もココアを口に運ぶ。
「というか斎藤さんこそ皆の憧れのモデルさんなのに、女の匂いが一切しません。ポテチの匂いしかしません」
「そうでしょうね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます