第4話
斉藤さんも自分の分のコーヒーをテーブルに置いて地べたに座った。
「あの、つかぬことをお伺いしますが」
「はい?」
「斉藤さんって、本当にモデルさんなんですよね?」
「はい」
斉藤さんはゆっくりとした上品な動作でコーヒーを口に運んだ。
その姿はやはり、惚れ惚れするほど様になっている。
「あそこに山積みにされてるのはポテチに見えるんですが見間違いでしょうか」
「いえポテチですね」
なんとさらりとした返事だろう。
「斉藤さんがお一人で召し上がるんですか?」
「勿論です。ポテチが食べたいんですか?一袋開けます?」
「いえ結構です。良いんですかモデルさんがそんな食生活で」
そのポテチの山はざっと見て、十袋は軽く越えている。
「良いんですかと言われても……大丈夫なんじゃないですかね、実際続けてられてるんだし」
その言い方は不思議と嫌味っぽくはなくて、私はただひたすら、この人ポテチ食うのか……と思うだけ。
それももしかしたらイケメンパワーなのかもしれない。
「羨ましいです」
ポテチに突っ込んだところでようやくココアを一口。程よく甘くて、口一杯に広がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます