第5話竜と少女
繕った制服と繕ったカバンでリリーは学校に向かう。俯いていない、はっきりと前を見て、クラスメイトが不気味がるくらいの笑顔で。
「すごぉい、お裁縫もできるんだあ」
さっそく絡んできたいじめ主犯の菅原直子。
「マジちゃんと縫ってある。すごい通り越してキモい」
金魚のフンの、双葉千鶴。
「わあ、かわいそぅう、お洋服も、バックもお裁縫で綺麗にしてるけど、ボロボロだのも。こんな格好で学校に来れないわあ」
こちらも金魚のフン2、田中玲奈。
その他大勢のいじめに関わっている人たち。ひとクラス30人程度。リリーは、繕った鞄を机の横かけて、背筋をピンとはって、授業が始まるのを待った。するとチャイムが鳴るまでとこがで遊んでいたのだろう直子たちが帰ってきた。そして直子と千鶴と玲奈が、直子の机の上に菊の花束が飾ってあることに気が付いた。
「直子になんてことしてんの?バカじゃない?」
千鶴は瓶を持ち上げると、思い切りリリーに投げつけた。割れたガラスがバラバラに砕け、破片で
リリーは手の甲を切った。髪も濡れ、菊の花びらが髪や制服に散った。「なにやってるの!?」教師が叫ぶとクラスの半分は慌てて席について前を見た。直子が何かを言う前に
「せんせー、玲奈さんたちが花瓶を投げてきて、濡れてしまたったので、保健室にジャージかりに行ってきまーす」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます