最終章

第26話

グランマは76歳で死んじゃったんだ。まだまだ生きることができたんじゃないかと思う。



お世話は大変だったけど......ううん、もっとちゃんとお世話してあげないといけなかったけど......もっともっと生きてて欲しかった。



若い人がいきなり死ぬと、みんな凄く悲しむ。でも老人が死んだ時だって凄く悲しいんだね。



だいたいグランマはもうすぐ死ぬってお医者さんに言われてたんだから......もうこの先あまり長くないって言われてたんだから......グランマが死んじゃうって覚悟はできてたんだよ。



でも本当に死んじゃったら、こんなに悲しいなんて。こんなに寂しいなんて。僕は知らなかった。



グランマは一体どこに行っちゃったんだろう。会いたいのに、もう2度と会えない。顔を見たいのに、もう2度と見れない。胸にポッカリ穴が開いたような感じがする。



グランマはずっと痛くて苦しかったんだ。



寝てる時だって、背中や腰が痛いから全然楽じゃなかったんだ。自分で寝返りもできないから、僕が手伝ってあげたんだ。でも結局どの方向向いてても、どんな格好で寝てても痛いって言ってた。



僕は毎晩寝る時にベッドに入るとホッとする。ベッドは安心できる大好きな場所。



でもグランマにとっては違う。グランマは1日中ベッドで寝ていた。しかも毎日、毎日。ベッドから全然出られなくて、グランマはベッドが嫌だったみたい。グランマにはホッとできる場所、安心できる場所なんて全然無かったんだ。



グランマは、もうこれからは痛い思い、苦しい思いをしないですむ。今はきっと楽になってるって思う。死んじゃって良かったのかもしれない。



そう思うようにしてるけど、やっぱりグランマがいないのは寂しい。



僕は学校から帰ってくるといつも、まずグランマの部屋を覗くんだ。なんかグランマが寝てるような気きして。



でもやっぱりいる訳ないんだよね。そんな時僕は、もうどうしようもなく寂しくなる。マミイも夕方まで帰ってこないし。僕はずっと泣いてるんだ。

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