第24話

キャロルは順調に回復し、数日後退院しました。



しかし退院したと言っても、回復したと言っても、ほぼ寝たきりに近い状態です。ティナはいつまでも仕事を休んでいる訳にもいかず、職場に復帰しました。3人で生活していかなければならないから、お婆さんがいくら具合が悪くても働かざるを得ないのです。



さて、マークはまた学校から帰宅後、お婆さんの世話をする毎日となりました。果たしてマークは、病院で決心した通り一生懸命お婆さんのお世話をしたでしょうか?



確かにキャロルが退院したばかりの時は、マークは心を入れ替えて凄く張り切ってお世話をしていました。あまりにもマークが親切なので、キャロルはビックリしたぐらいです。



しかしそんな状態は長くは続きませんでした。



キャロルが入院する前の時期、マークのキャロルへの接し方は酷いモノがありました。凄くふて腐れてて、凄く反抗的な態度でした。



さすがに、そこまで酷くなることはないものの、マークはキャロルに反抗したり、文句を言ったり、面倒臭がったり、無視したりしてしまうこともありました。



でもマークは基本的にはキャロルに、優しく接するよう心がけるようにはなっていました。病院で瀕死のお婆ちゃんを見た体験が、心から回復を願った体験が少しマークを変えたようです。100点満点とは程遠い世話っぷりではありますが、もう人が見ていようがいまいが関係なく、お婆さんのお世話を頑張るようにはなっていました。



マークはインターネット、TVゲーム、アニメ番組、マンガ本、友達の誘いなどの様々な誘惑と日々戦いながら、お婆さんの面倒をみました。



そしてマークのそのノラリクラリとした看病にもかかわらず、そのうちお婆さんは最後の日を迎えました。もう老人の体には闘病生活も限界だったのでしょう。76歳でした。

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