第23話

キャロルは体力が無いので少しの間しか、笑うことができませんでした。でもマークとティナは暫く笑っていました。



2人はこんなに心から笑うのは久しぶりでした。最近はキャロルの具合がすごく悪くて、看病も大変で、2人とも苛立ったり気が沈みがちだったりでしたから。



そしてマークは暫く笑ったあと、目から涙がポロッとひとしずくこぼれ落ちてしまいました。安心して散々笑って、緊張の糸が切れたのでしょうか?



そしてそのうちマークの涙は、大粒の涙に変わりポロポロと止まらなくなってしまいました。



今日は朝早くから不安で不安でしょうがなかったのを、子供ながらにずっと我慢していました。自分が悪かったとは言え、病院を飛び出して、そして道に迷い戻って来れなくなった時のグランマへの心配、気の焦りと言ったらありませんでした。そんな今まで泣きたかったのを我慢ていた分まで、涙が溢れて溢れて止まらないのです。



マークは「グランマ、目を覚ましてくれて本当にありがとう。グランマが起きてくれて本当に良かったよ」と泣いたままキャロルに抱きついて言いました。



キャロルは笑って「おやおや、この子は一体どうしちゃったんだい?さっきから泣いたり笑ったり。あたしがそんなに簡単に死ぬとでも思ったのかい?ハッ、ハッ、ハッ」と言いました。



マークがちっちゃかった頃のグランマのイメージは、豪快なおばあちゃんでした。今日のキャロルはベッドに寝たままとは言え、喋り方や性格はその豪快なイメージが復活したかのようでした。病院での治療や点滴が良く効いたのでしょう。

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