第22話
マークはビックリして、そしてあまりにも嬉しくて、ついつい大きい声を出してしまいました。ティナは人差し指を立て口元に当て「シーッ」と言い、それから小さい声で説明しました。
「お医者さんからは『まだまだ油断できない』って言われてるわ。でもね、さっきグランマはハッキリと目を覚ましたわ。少しだけどマミイとちゃんとお話しもできたのよ」
マークはティナの手を取り
「良かったね。本当に良かったね」
と今度は小さい声で言いました。
「今はまた寝てるわ。今日1日疲れちゃたのね」
マークは黙ってうなずきました。マークは心の中で
「(よぉし、これからはもっとちゃんとグランマの世話をしてあげるんだ)」
と自分に言い聞かせました。
マークは寝ているキャロルの顔を覗き込んでみました。そして嬉しさのあまりキャロルのおでこにキスしました。キャロルは顔を少し動かしましたが、まだ寝ているようでした。
マークは寝ているキャロルの顔を、暫く嬉しそうに見つめていました。
マークはそのままキャロルの顔を眺め続けながら
「グランマ、少しだけ顔色が良くなったような気がするね」
と言いました。
ティナは「そうね、私もそう思うわ。点滴を射ったおかげかしら」と答えました。
それからマークは「グランマはね、昔すごい美人だったって聞いたことがあるよ。今の寝ている顔の形を見てても、キレイだもんね」と言いました。
その瞬間キャロルの方から「クッ、クッ、クッ」と音が聞こえました。キャロルの病状に異変でも起きたのでしょうか?マークとティナは不安そうに目と目を合わせました。
するといきなり「お世辞言ってんじゃないよ~、この子は。ハッ、ハッ、ハッ」とキャロルが弱々しい声ながら、笑って言ったのです。マークの言葉がキャロルには聞こえていたようです。キャロルは年老いた自分が何十年振りかに美人だとかキレイだとか言われたのがおかしくて、ついつい吹き出してしまったのでした。
それを聞いたマークとティナはビックリするやら安心するやら。最後はつられて2人とも笑ってしまいました。
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