第21話
「(グランマ、死んだりなんかしてないよなあ......生きてて欲しい......)」
まだ子供のマークにそんなに体力があるわけもないのですが、それでも一生懸命走り続けました。
すると頑張って走り続けた甲斐あって、やっと見覚えのあるような場所にたどり着きました。
「(うん。この辺だ、この辺だ。そして......あッ!あの病院だッ!)」
やっと目的の病院を見つけたマークは安心しました。そして息を整え、汗を拭きました。
それからマークは、やっとの思いでたどり着けた病院の中に入って行きました。
マークは病室のドアの前まで来ました。でもせっかくここまで、どうにかこうにか戻って来れたというのに、マークはドアを開けることができません。
怖いのです。病室の中で一体何が起こっているのか、全く予測がつきません。マークがしばらくドアの前でモジモジしていると
「僕、どうしたの?」
そこへ通りがかったオバサンの看護婦さんが聞いてきました。
「ううん、何でもない。大丈夫だよ」
とマークは答え、そしてそのやり取りをきっかけに、やっと部屋に入ることができました。
すると、そこにいたお母さんのティナは何故だかにこやかでした。もしかしたら怒られるのでは?と思ってたマークは少し安心しました。
キャロルは相変わらずベッドの中でじっとしていて、動くこともなく寝たまんまです。キャロルのお友達のカレンお婆さんは、もう帰ったあとのようでした。
ティナは小声で嬉しそうに
「マーク、やっと戻ってきたわね。どこへ行ってたの?」
「マミイ、ごめんなさい。いきなり病院から出て行っちゃって。でも、そのことはまたあとでお話しするから。
それで......ねえ、マミイ。グランマはどう?大丈夫なの?」
マークはドキドキしながら聞きました。
「フフフ、マーク。いいニュースよ。驚かないでね。さっきねぇ、グランマがねぇ......目を覚ましたのよッ!話すこともできたのッ!」
「ええーッ!!本当?」
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