第20話

「あれッ?ここはどこだ?」



暫くして目が覚めたマークは、どうして自分が今ここに居るのかがわかりませんでした。



しかしすぐハッと我に帰りました。



「グランマが、凄く具合が悪くて病院に運ばれたんだッ!そしてここはその病院の近くの公園だ。思い出した、思い出した。んッ!?......グランマは大丈夫かッ?」



マークは慌てて飛び起き、病院に走って戻りました。



「マミイ、怒ってるかなぁ~?イヤ、そんなことよりグランマ大丈夫かなぁ~?」



マークは不安でした。心配でした。そんな不安や心配をかき消す為にも、マークは一生懸命走りました。



でも頭に浮かぶのはネガティブな思いばかりです。



「グランマ、まさか死んだり......イヤ、イヤ。そんなことは絶対に無いッ?でも......」



マークは焦りました。かなり焦りました。そして焦り過ぎた為か、道に迷ってしまいました。救急車で連れて来られた、良く知らない土地ですから無理もありません。



たまらずマークは、その辺を歩いているオジサンに尋ねることにしました。



「オッ、オジサン。びょ、病院はどこ?」



「病院かい?この近くにはいくつか病院があるからねえ。病院の名前はわかるかい?」



「(えっ!?病院の名前?わかんないや......)」



マークは茫然としました。親切なオジサンは心配そうに



「坊や、大丈夫かい?」



と聞きました。マークは



「大丈夫。オジサン、ありがとう」



と言って走って行きました。



「オイ、坊や。待ちなさい。オジサンも一緒にさがすよ。病院の建物は、どんな色だったかい?」



オジサンは大きな声で言いましたが、マークは大声で「アリガトー」と言って走って去って行きました。



「(病院の色も覚えてないんだよお)」



マークは泣きそうになりました。



マークは走りながら、自分の行動を悔やんでいました。



「(何で良く知らない場所なのに、走って出てきてしまったんだろう......)」



道行く人々に泣き顔を見られたくないマークは、必死で涙をこらえました。

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