第11話

マークは日々キャロルお婆さんの世話を一生懸命やってあげていました。マークがそうやって一生懸命世話をしてあげると、キャロルは凄く喜んでくれます。



が、しかしキャロルがいくら喜んでくれたとしても、マークはキャロルの病気を治す力まで持っている訳ではありません。キャロルの病状は段々と悪化していました。



キャロルは以前より頻繁にお腹(内臓)が痛くなり、苦しむことが多くなってきました。病状が悪化するとともにキャロルの口数は、次第に少なくなっていきました。強い薬を使っていたので、その副作用に苦しみ口数も減っいったのだと思われます。



そしてそのうち弱ってきたキャロルは、とうとう寝たきりの状態になってしまいました。キャロルの口数は更に益々減っていきました。



キャロルが寝たきりになってしまったことによって、マークはキャロルを外出させてあげれなくなりました。これまではマークはキャロルを車椅子に乗せてあげようとし、キャロルは足が悪いながらも車椅子に乗ろうと努力した為、2人の共同作業でキャロルはなんとか車椅子に座ることができました。しかしキャロルが自分で体を動かせなくなった今となっては、子供1人だけの力でお婆さんの体を車椅子まで動かして座らせてあげるのは無理でした。



お母さんのティナがいる時でないと、車椅子にキャロルを乗せてあげることができなくなりました。となると毎日午後はティナは仕事でいないので、マークはキャロルとの散歩ができません。



散歩ができないとなると、マークは急にキャロルの世話に張り合いが無くなってきました。キャロルを連れて散歩に行けないので、近所の人達からほめてもらう機会も無くなりました。するとマークのキャロルへの世話の仕方は、まるで昔のマークに戻ったかのようになってしまいました。



マークは以前はキャロルに何か頼まれると、ブツブツ文句を言いながら、イヤイヤながらもお願いごとを聞いてあげていました。しかし最近はキャロルのお願いを全くきかないことの方が多くなってきました。世話の仕方が昔のマークに戻ってしまった......と言うよりむしろ以前より酷くなったと言った方がいいかもしれません。

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