第10話
マークはキャロルの腕を支えながら、家の近所をゆっくりと散歩しました。
近所の人達は口々に「おっ、マーク。今日もおばあちゃんと一緒に散歩かい。いつも感心だねえ」
「マークは本当にいい子だねえ。キャロルがうらやましいよ」
「あたしにも、こんな孫がいたらねえ」などと言いました。
「ダメだよ。マークはあたしの孫だ。やらないよッ!ハッハッハッ」
キャロルはよく、ご機嫌で冗談を言い返したものです。
マークがキャロルと散歩する光景は近所ではすっかり有名になりました。マークを褒め称える声はあとをたちません。その度キャロルも「マークはあたしの自慢の孫だよ」「あたしゃ本当に幸せもんだよ」「この子なしでは、あたしゃどうして暮らしていけば良いかわからないよ」と嬉しそうに自慢しました。
マークに手を支えてもらいながら、よく一緒に歩いていたキャロルでしたが、そのうち病状が悪化し散歩が難しくなってきました。するとマークはキャロルを車椅子に乗せ、外出させてあげました。
今度はマークがキャロルの車椅子を押して歩く姿が、人々の評判になりました。言うまでもなく、キャロルは喜びました。外に出て木や花や鳥を眺め、散歩に連れられる犬とすれ違い、近所の人達とも楽しく語らうことができました。
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