本章

第5話

春が近づいてきたある暖かい日、お母さんのティナがキャロルお婆さんを連れて3人で一緒にレストランへ行くことを提案してきました。ティナは今日は仕事がお休みです。



「えーッ、マミィ。家で食べればいいじゃない。レストランなんか行かなくても、マミィの作る料理は十分おいしいよ。それにグランマは足が悪いから、レストランに連れて行くのスゴク大変だし......」



マークがそういうとティナは優しく諭すように言いました。



「うん、そうね。マーク。確かにグランマを連れて外出するのはスゴク大変よね。でもね、マークはいつも学校に行ったり、外に遊びに行ったりしててわからないと思うけど、1日中ずぅーっと、しかも毎日毎日家に居るのはつらいものなのよ。グランマはね、足が悪くていつも家に居るばかりだから、たまには外に連れて行って食事でもして気分転換させてあげた方がいいと思うの」



「ふ~~ん、そうなの」



マークはあまり気乗りしませんでしたが、一緒に食事に出かけることになりました。



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マークが言ったように、足が悪いキャロルと外出し、車に乗せてあげたり降ろしてあげたりするのは、男手が無いお母さんと子供の2人の力では大変な作業になります。またキャロルにとっても、外出は同じように厄介で面倒で億劫なことでした。



でもそんな煩わしい手間がかかっても、キャロルは久しぶりに外出できるという喜びの方が大きかったようです。散々苦労しながら3人で協力して車に乗り込みましたが、キャロルは本当に嬉しそうな表情をしていました。



車の中で「ありがとう。本当にありがとう。2人のお陰で、今日あたしは楽しくてワクワクしているよ」とキャロル。すると車を運転しているティナも楽しそうに言いました。



「喜んでもらって嬉しいわ。今日グランマは何を食べるのかな?マークは何を食べるのかな?私は何を食べようかしら?」



しかしマークだけは気にかかることが1つあり、しかめっ面をして黙っていました。

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