第3話
「わかったよ。じゃあ今から遊んできて、帰ってからやるから」マークはキャロルの部屋を出ていこうとしました。
キャロルはあわてて「そんなこと言わないでおくれよ、マーク。部屋が散らかってると、あたしゃどうも寝つきが悪くってね。よく眠れないと益々具合が悪くなりそうな気がするよ」と言いました。
マークはめんどくさそうに「わかったよ。やるよ。やるよ。今すぐやればいいんでしょ」と言って掃除を始めました。
マークはキャロルから何か頼まれると、いつもこの調子でした。マークは決して悪い子ではないんですが、遊びざかりで生意気ざかりの11才の男の子が毎日毎日お婆さんの世話をするのは、やはりちょっと無理があるようです。
マークは、キャロルと一緒に暮らし始めたばかりの頃は、何か頼まれるとすぐにやってあげていました。しかし最近では、キャロルのお願いごとが段々と増えてきたこともあり、ついついひと言ふた言憎まれ口をきいてから、やってあげるようになってました。
キャロルはそんなマークと言い合いをすることもありましたが、お願いごとをきいてもらった後には必ず笑顔で明るく「ありがとう」と言いました。キャロルは段々自分の体がいうことをきかなくなるにつれて、マークへの頼みごとが多くなりすまないと思ってました。それで感謝の気持ちは必ず言葉にするように心がけていました。
またキャロルはこれまでの1人暮らしの不便さ、寂しさに比べれば、文句は言うけれども、頼みをきいてくれる孫は頼りになり、またいい話し相手になりました。
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たまにキャロルは「マークや。お腹がスゴク痛くて苦しいんだよ。こっちに来ておくれ」とお願いする時がありました。持病のある内臓が痛むのです。
キャロルが痛がってる時には、さすがにやんちゃなマークも すぐに言う事を聞きました。マークは「グランマ大丈夫?ひどく痛いの?マミィ(お母さんという意味)に電話しようか?救急車呼ぼうか?」と聞きました。
「いや、大丈夫だよ。痛いのは痛いけど我慢できる範囲だよ」とキャロル。
「薬のむ?」マークは聞きました。
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