5

第47話

付き合うことになった翌朝、十和から「今日在宅勤務です」と連絡が来ていた。



残念すぎる。



でもやっぱり、嬉しい気持ちといまだに信じられない気持ちが入り乱れて、気持ちがずっとふわふわしてて変な感じだ。




あ、そういえば、今日篠原に報告しないとな。付き合うことになったって。



昼休み、いつものように篠原とご飯を食べる。




「付き合うことになったよ」




「…え?まさか好きな子と?」




「うん」




「昨日順調なのかわかんないとか言ってたのに!?」




「ごめん」




「ムカつく!!いずれ付き合うとは思ってたけどムカつく!!」




「ごめんって」




「ま、ナツに言い寄られてなびかない女なんていねーよなー」




「…彼女は、そういう感じじゃない」




俺がそう言うと、篠原は「あっそ」と目を細めながら返した。




「彼女になったなら、俺に紹介してくれてもいいんじゃないの?」




「だめ」




呆れ顔でため息をつかれた。でもだめなもんはだめだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る