第42話

ダイニングテーブルの方に誘導され、彼女が作ってくれたスープを飲む。



美味しい。あったかい。体がどんどん温まる。




「美味しい」




俺がそう言うと、彼女はホッとしたような表情になり、すぐに自分の分を食べ始めた。



スープを食べる彼女を見つめる。



小さい口で食べる姿はやっぱり小動物みたいだ。



彼女は俺の視線を感じるのか、居心地が悪そうにしている。



恥ずかしいのか、顔が赤くなっていく。



かわいいって言ったらどんな反応するんだろう。




「かわいい」




彼女の顔が一気に真っ赤になった。その反応もかわいすぎる。




「真っ赤」




と添えてみると、余計赤くなって彼女は俯く。



バッと彼女が再度顔を上げたが、何か言いたそうな顔をしたあと、結局何も言わず俯いてしまった。



顔見えなくなっちゃった。残念。



結局食べ終わるまで、彼女の顔は上がらなかった。

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