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第33話
長い週末を終えた月曜日、俺はいつも通り彼女のことを迎えに行った。
「お待たせしました」
そう言いながら近づいてくる。
「ん」
緊張しているのが悟られないように、短く返した。
彼女が駅の方に向かって歩こうとするので、
「今日はこっち」
と引き止めて、車を止めているところに向かった。
助手席のドアを開けて彼女に乗ってと促すと、「お邪魔します」と小さくつぶやいて乗り込んでくれた。
車を走らせていると、隣から視線を感じる。
彼女が俺の車の助手席に乗ってるってだけで緊張でどうにかなりそうなのに。
「あんま見ないで。緊張するから」
そう告げると、彼女は窓の外を向いてしまった。
…言わなければよかった。
彼女のことを横目で見ると、ぼんやりと外の景色を眺めている。
以前みたいに気まずそうにしない姿が嬉しかった。
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