第20話
もう忘れないといけないのに、その日以来もずっと彼女のことが頭を支配している。
迷惑行為をされているのに丁寧な対応をしてくれる彼女は優しいし、俺のことを見た目で判断しないでいてくれる。
俺は篠原からも、お前は顔が最高に良い、と散々言われてきた。
学生時代もそうやってもてはやされてきた。
俺を好きな女なんて基本俺の顔だけが好きで、俺はその女の地位の維持に利用されているだけだった。
でも彼女はそうではない。現に拒絶されているのが何よりの証拠だ。
…まずい。日に日に思いが大きくなるばかりで、忘れるなんて到底できそうにない。
今まで俺の目に映った彼女の姿がぐるぐると頭の中を回っていく。
恋の病、とはよく言ったものだ。
こんなの、ほんとに病気だ。
俺が彼女のことを諦められるのは、彼女がこの前断ったときの理由が、彼氏がいるから、っていう理由だったときだけだと思う。
…まあそれでも諦められると言い切れはしないんだけど。
俺のこと、もっと知ってほしい。
もう一回だけ会いに行って、そのとき完全に拒絶されたらまた考えよう。
俺は彼女にもう一度会おうと決心した。
彼女にもう来るなと言われた日から2週間が経とうとしていた。
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