第6話

モト>

そうだね。好きだったよ。


本田>

観察ってキモイぞ! まあそれでこそお前だ笑。それにしたって部活内とか、他の中学のやつからとか、いくらでも可能性はあるだろ。さすがに二十四時間観察してたわけじゃないだろ? 笑。


モト>

まあね。


本田>

いじめが原因でうつ病になって、マンションの屋上から飛び降りたわけだ。かわいそうになあ。


モト>

え? なんで「屋上から」って知ってるの?


本田>

ああ。そうだな。勝手に屋上だと思い込んでた。


モト>

いや。「屋上から」だよ。もしかして思い出し始めたのかな?


本田>

いやいやいや。飛び降りって聞いて屋上を連想するのは別に不自然じゃないだろ。むしろ普通だ。


モト>

それに「お前も牧野のこと好きだったわけ?」って。「お前も」って言ったのは、君が牧野を好きだったことを認めたからだよね?


本田>

お前なかなかの屁理屈野郎だな。お前によると、どうやらおれは牧野のことが好きだったらしい。そんでさらに「お前も」牧野が好きだったのか? ってなっただけだろ。別にお前の言ってることを信じたわけじゃねえし、ましてや思い出すとかありえないし。


モト>

そっか。でもそれにしては急に食い付きがよくなったように感じるけど。


本田>

だとしたらお前の勘違いだな。


モト>

まあいいけど。とにかくいじめがあったかどうかは大した問題じゃないよ。


本田>

なんでよ。大問題だろ。自殺の動機に関わる問題だぞ。


モト>

確かにいじめられてた可能性は否定できないよ。それこそ二十四時間観察してたわけじゃないからね。


本田>

だろ。


モト>

だけどたとえばいじめられていたとしても、それが自殺の動機でないことは確かだよ。


本田>

なんなの? つまりお前は本当の動機を知ってるわけ? もったいつけんなよ。めんどくせえから。

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