過去に死んだ女
第5話
先ほど止んだ雨がまた降り出した。長い長い秋雨はまだ始まったばかりだった。彼の会話もまた、長く長く続く。
本田>
おお! 自殺!? そうきたか! なかなか面白いぞ!
モト>
やっぱり信じてないんだね。
本田>
そりゃそうだ。同級生に自殺者が出てんのに忘れるってありえないだろ。せめてもう少し小さな嘘なら信じたかもしれないけどな。お前はいやがらせするよりされる方があってるみたいだな。金子に弟子入りしろ笑。
モト>
まあ信じてもらえないだろうとは思ってたけど。ただ確認してみただけだよ。
本田>
お。負け惜しみか? 笑。みっともないぞ! で牧野はなんで自殺したって?
モト>
うつ病だったらしいよ。
本田>
遺書とかは?
モト>
なかったみたいね。日記とかもつけていなかったみたいだし。
本田>
もしや実は他殺だったとかって展開が待ってたりするのか!?
モト>
いや。それはないよ。自宅のマンションから飛び降りだって。
本田>
あちゃー。飛び降りか。グロいな。想像しちゃったよ。しかしまあ中学生でうつ病って。いじめか?
モト>
特にいじめられてた様子はなかったみたいだね。
本田>
まさかお前学校の言ってることを鵜呑みにしてるんじゃないだろうな? 大人の言うことなんて信じちゃいけないんだぞ。いじめってのは大人の見てないところで密かに行われるんだぞ。そんなことも知らないのか!? まあいじめられっ子のお前が知らないはずないか笑。
モト>
確かに本来ならいじめの可能性は捨てきれないだろうね。
本田>
中学生がうつ病になるっていったら原因はいじめだろ。それで決まりだ。
モト>
いや。いじめられてなかったよ。僕は牧野のことをよく観察してたから間違いないよ。
本田>
なにもしやお前も牧野のこと好きだったわけ?
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