第4話

本田>

お前ほんとむちゃくちゃ言うな。牧野なんて同じクラスになったことないし、話したこともほとんどないぞ。


モト>

この事件がきっかけだったんだよ。


本田>

そりゃお前に言わせりゃおれもその場にいたんだろうけど、そんなわけないし。関わってもいない事件がきっかけで恋に落ちるとかありえないだろ。


モト>

信じられないかもしれないけど本当なんだよ。君は幸せだね。うらやましいよ。


本田>

信じられないっていうか信じる気がないっていうか。んでなにがうらやましいわけ?


モト>

いや。彼女のことを忘れられるなんてうらやましいなってさ。


本田>

ああそうなの? でも初恋っていうのは一生の大事な思い出だぞ? そんなことまで忘れちゃってたら不幸だろ。


モト>

彼女の思い出はそんな素敵なものじゃないよ。


本田>

おおー。まじかよー。何があったんだよー。


モト>

僕だけが牧野のことで苦しむのは不公平だからね。早く君に思い出してもらわないと。


本田>

お前めんどくせえよ。早く言えよ。


モト>

ボヤ騒ぎの三か月後に牧野絵美は自殺したんだよ。

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