第5話
あたしの家なのに、あたしのベランダなのに、「いきなり話しかけてきて、誰だ」とかなんなの。
そりゃあ、自分の家のベランダに人がいれば話しかけるでしょうが。でもさすがに初対面の人に対してあまり失礼な態度はとりたくない。相手が失礼であろうとも、だ。
どこでまた関わるかもわからなければ、恨みを買って変な事件に巻き込まれたりする可能性だってあるから極力問題は起こしたくない。
「須藤くるみ(ストウ クルミ)です。あなたは?」
「カイ。ここお前の家か?入れてくれ」
「え!?」
私の答えも聞かぬまま土足で部屋に入り込んできたカイと名乗る男。
「よ、よく分からないんですけど、とりあえず靴だけは脱いでください!土足厳禁です!」
「うるせえ女」
文句を言いながらも靴を脱いでくれたカイにひとまずはほっと安心した。
もしかして彼の家では土足オッケーなんだろうか。そういう海外スタイルなんだろうか。その髪色は地毛なんだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます