第4話
「う、上の階の方ですか…?」
「は?」
あたしの質問に対して怪訝な表情を向けてきた男。人を見た目で判断するのは良くないということは重々に承知しているけれど、髪色同様に随分な性格をしているのかもしれない。初対面の人間に対してここまでぶっきらぼうに言葉を落とせるとかある意味すごい尊敬した。あたしなら絶対に出来ない。
こ、これはヤンキーなのかもしれない。容姿も内面も派手だし、安易に関わっちゃいけない人種なんじゃないだろうか。
まあ、でも。
チラリ、一度逸らした視線を再び男に向ける。
あたしの瞳に映る男の容姿は完璧だと思う。
モデルや俳優って言われても誰も疑わないだろう。確かに漫画や小説といった物語のなかにいるヤンキーのほとんどは容姿が整っているように思える。
…………まさか漫画や小説のなかから飛び出してきたとでも言うのかな。
そんなことをボーッと考えていると、夜風があたしの頬を撫で、我に返った。
「いや、だから、上の階の―――」
「お前、誰だ」
「はい?」
「いきなり話しかけてきて、誰だ」
なにこいつ。
やはり失礼すぎる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます