6. 神と象徴

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 神々と人

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 神々は直接的には人間界ないし現世に影響を及ぼさない。基本的には、狭世を介してか、巫女による巫術を介して影響を与える。


 非常に緩やかに、自然を介して神々が力や言葉を伝える場合もある。


 神々の本性は常世に存在し、狭世には神の端緒がある。


 神々は狭世にて巫女と対話することもあるが、必ずしも手助けするわけではない。およそ気まぐれの一環として、神々ごとの原理に沿った作用を示すのみである。神々にとって、人間は眼下の奇妙な生物でしかない。



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 白花しろはな

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 白ノ宮の周辺や、各地に咲く万年花でありつつ、日月ノ長神と同一視される、浄化と神性の象徴である。


 ゆえに白花自体も神聖視されている。


 白花を模した白花紋は、白い八弁の花びらの図象であり、巫女の衣服や神域の建築物の装飾に用いられる。


 白花ノ浄歌『白花は 穢れし土へ根をはらむ 花開きては 浄しなるかな』がことあるごとに奏上される。



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 日月ノ長神ひつきのながかみ

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 東西の二つの頭を持つ、銀色の蛇の主神。西の顎で月を噛み、東の頭で太陽を噛むとされる。


 銀の体色は霊気と瘴気の調和を象徴している。


 無辺むへん、すなわち宇宙の中心の、巨大な白花の中で世界を見つめているとされる。


 浄歌は白花ノ浄歌と同じ。



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 火津真ノ神ほつまのかみ

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 太陽と光や天体を司る男神。黄金の光輪で象徴される。翼を持ち、右手に火を掲げている。


 火津真ノ浄歌『長神の燃ゆる東の顎より 産まれ出しは天つ焔火』



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 水奈弥ノ神みなやのかみ

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 海と水と生命を司る女神。水瓶で象徴される。


 白花芽しろはなめの妹とも呼ばれるが、なぜかは知られていない。

 水奈弥ノ浄歌『長神の西の瞳に流るるは 海土に降る弥青し天水』



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 冥摩ノ神くらまのかみ

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 死と腐食を司る忌神。黒附子の花という、黒い大きな花に象徴される。


 この神が世界に瘴気をばらまいた結果、瘴気が世界に溢れた厄災は、『瘴気禍』と呼ばれた。


 冥摩ノ浄歌『西日落つ 地の底に這う腐れ根を 集め冥府ぞ いざすべからむ』



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 〓〓〓ノ浄歌『天地あめつちに 溢る穢れぞ巡りなむ 白花の芽の 浄しなるかな』



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 烈賀王れつがおう

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 元は人の王でありながら信仰を集める戦争と勇気と旅の神。矛と鷹で象徴される。



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 夜渡吒ノ神やわたのかみ

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 夜風を象徴する美しい長髪の男神。黒い薄衣に三日月の短刀を隠し持っている。命を狩る慈悲深き導き手とされる。


 浄歌『夜ごと鳴る 草木ささやく風音は 黒衣くろぎぬに照る月の白銀』

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