4. 白ノ宮

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 白ノ宮の概要

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 白ノ宮は、大巫女を中心とした強大な呪力を誇る組織である。


 名目と立地の上では馬稚国に属しつつ、各国に影響力を持っている。


 馬稚国の都――旺鹿より四里ほど南東に下ると、峠の先の森に白木の建築群が現れる。その眺望たるや、樹海に咲く白花の群生と云えよう。



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 白ノ宮の建築

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 白ノ宮は五(約五百平方米)の敷地面積。外郭は白木の塀で囲まれ、監視台がある。西向きに正門があり、旺鹿へ至る街道に向いている。


 白ノ宮の建築は、ほぼ全て美麗な白木でなされている。基礎は檜、全体は楢の設え。朱と銀で飾り立てられており、主神たる長神や、白花や、神々の彫刻が施されている。


 馬稚国の兵が宮に多数詰めており、『守護』として警護にあたる。守護の鎧は黄金銅(蝕の時代以前)馬稚国の白木(蝕の時代以降)。


 白ノ宮の中央には本宮があり、三階建ての最大の宮。



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 白ノ宮の外宮

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 七つの外宮には以下のようなものがある。


 食料を蓄えておくための穂積ほづみノ宮。


 衛兵詰め所である守護しゅごノ宮。


 来賓もてなしや祭り部屋である慶紗けいさノ宮。


 見習い巫女たちが暮らす雛蘇ひなそノ宮。


 図書などの収められた文読ふみよみノ宮。


 儀式用の神繋かむつなぎノ宮。


 守護ノ宮の地下には牢場があり、謀反人や精神に異常をきたした巫女を収監することもある。



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 白花信仰

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 白ノ宮の巫女たちは常に白花しろはなと呼ばれる万年花を儀式に利用し、白花を大切に扱ってきた。


 また、古来は世界の秩序がよりよく保たれていたとされ、古来のような『白花境』という理想の世界を再興しようとしている。



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 白ノ宮の敷地地図

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    2

 1     3


4   ⭐︎   5

   甲

 6     7

    8      


       乙

(下が西方)


⭐︎ 本宮

1 〓〓〓〓

2 文読ノ宮

3 雛蘇ノ宮

4 穂積ノ宮

5 神繋ノ宮

6 慶紗ノ宮

7 守護ノ宮

8 正門

甲 兵舎

乙 守護たちの修練場


 その他、古い文書には、『言忌こといみノ宮』『遠訪とおおとないノ宮』などの正体不明の宮の存在が散見される。



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 巫女について

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 頂点となる大巫女をはじめ、一位から四位までの位階がある。


 見習い巫女たる四位巫女からはじまり、霊受たまうけした巫女は三位巫女となる。そこから修行により、一年から三年で位を上げていく。


 一位巫女は数人ほどであり、宮の運営を実質的に指揮する立場となる。


 霊受とは、特定の神との縁を結ぶことである。(詳細後述)


 十五歳ほどまでに霊受が成らぬ者は、白ノ宮を抜けるか、下働きなどに転向する場合もある。


 服装については、両胸に銀の白花紋の入った白小袖に緋袴を着る。髪は銀の水引で留める。祭りの際は晴衣を着る。


 大巫女は白袴に銀の冠。冠は長神と白花を模している。

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