第2話

「タカセ、先生が呼んでる」







目の前の集団に声を掛けると、その中の1人がひょこっと顔を出す。





黒髪でくっきりとした綺麗な二重の目に、スッと筋が通った鼻。そして薄い唇。





まるで少女漫画の中から出てきたようなその容姿は、世に言うイケメンという部類に入るのだろう。







「今日はカタセが間違えられたんだ」



「うん。いつになったら間違えないようになるんだろ」



「ま、いいじゃん。そのおかげでこうやって話せるんだし」



「………」







それ…わざと言ってるのかな。だとしたら、本当にタチが悪い。





そんな風に言われたら、あたしと話せるのが嬉しいって言ってるようにしか聞こえないよ。





スタスタと歩いて行く背中をじ、っと見ていると、







「またタカセと間違えられたのか?」



「あ、うん」







クラスの男子に尋ねられ、あたしはあの男から目を逸らす。

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