第3話

「カタセさんも大変だな。毎回毎回間違えられて」



「あはは。でももう慣れたから」



「でも本当に似てるよな。"カタセ"と"タカセ"って。俺でもまだ間違えそうになる時あるわ」



「俺も俺も」







そう。あたし、片瀬真由美(カタセマユミ)とさっきの男、高瀬遼(タカセリョウ)は名前が似てるため、よく間違えられる。





事の発端は、新学年になってすぐの係り決めのとき。




学級委員を決めるときに高瀬がクラスの男子に推薦され、担任が高瀬の名前を黒板に書こうとした。





だけど間違えてあたしの名前を書いたんだ。あの担任は。





そして、そのまま女子の学級委員はあたしに決まり、それからも何かと高瀬とはセットで扱われるようになった。







「でも真由美もいいよね~。あんなイケメンとたくさん話せて。あたしだったら絶対アピールしちゃう~」



「それわかる!普通にできないよね!」







いつの間にか近くにいた友達の会話に苦笑いを浮かべる。




確かにあれだけ顔が整ってたら、周りの女子がほっとくわけないよね。






……あたしだって、その周りの女子の中の1人だし。

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