第3話
「カタセさんも大変だな。毎回毎回間違えられて」
「あはは。でももう慣れたから」
「でも本当に似てるよな。"カタセ"と"タカセ"って。俺でもまだ間違えそうになる時あるわ」
「俺も俺も」
そう。あたし、片瀬真由美(カタセマユミ)とさっきの男、高瀬遼(タカセリョウ)は名前が似てるため、よく間違えられる。
事の発端は、新学年になってすぐの係り決めのとき。
学級委員を決めるときに高瀬がクラスの男子に推薦され、担任が高瀬の名前を黒板に書こうとした。
だけど間違えてあたしの名前を書いたんだ。あの担任は。
そして、そのまま女子の学級委員はあたしに決まり、それからも何かと高瀬とはセットで扱われるようになった。
「でも真由美もいいよね~。あんなイケメンとたくさん話せて。あたしだったら絶対アピールしちゃう~」
「それわかる!普通にできないよね!」
いつの間にか近くにいた友達の会話に苦笑いを浮かべる。
確かにあれだけ顔が整ってたら、周りの女子がほっとくわけないよね。
……あたしだって、その周りの女子の中の1人だし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます