第15話  72,73階層

【恐竜殺しの守護神】の【巨大化バッフアロー】は口をこじ開けて、雷魔法を体内に押し込んでやったら何とか倒せた。この時ティラノサウルスよりも大きい肉食恐竜【ギガノトサウルス】の凍結死体がドロップした。これが恐竜殺しの正体なのだろうか?

鑑定するとこのダンジョンでは最強の武器になりえることが判った。

ということで71階層は無事制覇出来た。


その後72階層の海中ステージに入って超巨大な魚竜と呼ばれる怪獣との戦闘になった。姿形はイルカに似ているが大きさが段違いだ。口の形はサメやワニの方に似ているだろう。

此奴らにぶつかったり、尻尾で叩かれたら無事では済まないはずだ。最初に出会ったのはモササウルスだった。こいつは横に身体をくねらせて泳ぐで全長13m位だ。イルカは尾びれを上下に動かして泳ぐ哺乳類なのが大きな違いだ。だが呼吸は海上に浮上して行う。これは共通している。

つまり、酸素がなければ窒息死してしまうだろう。

(やっぱりが使えそうだ)


隼人は海中ステージを防御シールドで囲ってしまって、71階層で入手した【分別収集増幅】スキルのうちの【分別収集】だけを使って地中と海中と海上のを収集してストレージに収納して行った。この酸素はその内に役立つことも有るだろう。

隼人の防御シールドに囲まれた空間が無酸素空間になってモササウルスが苦しみ始めた。この状況を動物愛護団体に見られたらまた文句を言われるんだろうなと隼人は思う。


窒息死した魚竜類が、魚が、甲殻類が全て海の底に沈んでいった。頭の中に【死骸保存】スキルが手に入ったことを告げられた。死体が消えることは無く、死体のままでストレージに収納されていった。もしも【ダンジョンモンスター博物館】が有ったら高価で取引出来そうだ。

だが、ドロップ品が無いので解体する人材が必要になりそうだ。


等と、思っていたが、ストレージに【モンスター解体】のワードが表示されていて、選別した個体を【解体する】のボタンを押すと見事に皮や肉、骨等に分類できるようになった。


(俺の持っているジョブ【ダンジョン果樹農園主】は結構ご都合主義のようだな。でもありがたい)と感謝している隼人だった。

ちなみにここではかの有名なメガロドンは出てこなかった。

1度泳いでいるところを見てみたかったなあと思う隼人だった。


さて73階層だ。ここからはまた、地上に生息する恐竜の生息する世界になった。

トリケラトプスとか、ステゴサウルスとか有名な恐竜達が確認出来る。だが未だにティラノサウルスの姿は見ていない。おそらくティラノサウルスが75階層のラスボスなのだろうと予想する。

そう言えばブラキオサウルスなどの首長竜にも出会っていないな。こいつらは74階層かな?


のんびりとそんなことを考えていたら3本の角を持つトリケラトプスが猛烈な勢いで駆けて来るのに気付いた。

草食恐竜のはずだがあの勢いでぶつかったらどこまで跳ね飛ばされるか判らない。いやそれより衝撃で死んでしまうだろう。



(拙い!間に合わない!)

余計なことを考えていたせいでトリケラトプスの衝突は避けられそうにない。

隼人は自分の周りに更に防御シールドを張ってそれを地中深く差し込んだ。

ぶつかる!

ドッカーーーーン‼

衝突した。


シールドは無事だった。重ね掛けしたシールドは地中深く突き刺さっていたので跳ね飛ばされることなく逆にぶつかったトリケラトプスが100m近く跳ね返されて気を失っている。

するとその個体に周囲にいた小型の肉食恐竜が群がって貪り食っているではないか‼探索者が殺せば、モンスターは消えるのに、モンスター同士の殺し合いでは死んでも消えず、ドロップ品も無いようだ。


草食恐竜に恨みは無いが討伐しないとダンジョン踏破出来ないので心を鬼にして討伐することにした。

生きていた頃の姿を残したいので、業火爆裂魔法は使わずに倒すことにした。


100m×100mの四角い防御シールドで囲ってその中にいるモンスターを纏めて雷魔法で心臓が止まる程度の強さで雷魔法を放った。

鎧竜には効きにくかったようで、残ったモンスターに再度雷魔法を撃つ。

今度は効いた。姿を残したまま息絶えた。

すかさず収納して次の狩りに向かう。何度か繰り返すとモンスターの居場所がまばらになっている。

何とかして1か所に集めたいなとモンスター達の好みの草を集中的に促成栽培して草食恐竜を集めた。

「これで最後だ!」格闘アニメかプロレスラーとかが言いそうなセリフと共に雷魔法で止めを刺す。その死体目掛けて肉食恐竜のモンスターがわらわらと集まってくる。

今度は遠慮なく業火爆裂魔法を放つとここのモンスターは全滅した。73階層制覇である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る