第14話 ダイナソーダンジョン
このダンジョンの51階層から恐竜の世界になっていた。
最初の恐竜は柴犬くらいの大きさの【スモールダイナソー】だった。これはダンジョンのみの恐竜らしい。群れて襲ってくる小型肉食恐竜だ。気が荒くスピードとジャンプ力を駆使して大型恐竜にも立ち向かう大した奴らだ。
隼人の作戦はシカやイノシシを畑に入れないようにする電気柵の強力版を模して、高圧電流を防御シールドに流すことだ。
シールドはもともと絶縁体なのでそのシールドを覆うように魔素で網を作り上げて隼人を覆う。魔素の網は魔力を電流に変換出きる。プラス極とマイナス極が絶妙に配置されて両極に同時に触れると大きな電流が流れてモンスターが心臓停止に陥って心臓停止してしまう。電流の大きさは隼人の魔力の込めかたで変る。なので隼人はその場合に佇んでいるだけで小型恐竜が勝手に防御シールドにぶつかって電気ショックを受けて消え去っていくのである。
そんな感じで、70階層まで来た。
出てくる恐竜も大きくなっている。どの階層まで【ダンジョン果樹農園主】のジョブによるスキルが通じるのか?不安になってくる。だがこのダンジョンの【ダンジョン果樹農園】は絶対に欲しい。
果樹農園はパーティーで踏破しても入手出来ない。隼人自身が
ソロで踏破しないと入手出来ない決まりのようだ。(良し、ここからは1段ギアを上げて挑もうではないか!)
70階層の階層主はエリマキトカゲを巨大化したような姿の肉食恐竜ディロフォサウルスみたいなモンスター恐竜だった。体長6~7m体重約450kg、2本足で高速移動する。大きな口で捕食しようとしてくる
此奴らには先端が2本の銅の棒が付いた魔力のロープで繋いだ物を口の中に投げ込む。あるいは槍のように作った物で口の中を突き刺す。2本の銅の棒がモンスターの口の中の湿った皮膚に触れると電気ショックが起こるのだ。こいつらの皮膚は硬くて絶縁体に近いので皮に当てても効果が薄い。だから口中に攻撃を加えるのだ。
隼人自身の俊敏性が有ればこその脳筋攻撃である。瞬く間にこの階層も制覇した。
70階層迄踏破した。ここまでは地上に生息している恐竜形のモンスターだったが71階層は空飛ぶ恐竜のテリトリーだった。
プテラノドンを代表とする翼竜だ。
小型で俊敏なものから翼を広げると10mを超える大型のものまで雑多な種類が統制された戦いを挑んでくる。
大型種を相手にしているとその隙をついて小型種が鋭い嘴で突き刺そうとして来るのだ。
1匹の小型翼竜が隼人の胸に勢い良く嘴を突き刺した!と思ったらその翼竜の嘴が粉々になったそのショックが脳に衝撃を与えたらしく死んでしまった。流石、【防御力SSS】の防御シールドだ。更に、隼人の防御シールドにぶつかった大型翼竜も凄まじい電気ショックを喰らって、命を落とす。
「防御こそ最大の攻撃である‼」
凄く良いことを言ったなと、ドヤッてみせる隼人であった。
後で、恥ずかしさのあまり「あの時の自分を殴ってやりたい!」と後悔する隼人であったのだが。
そんなこんなで71階層を踏破した隼人はここで入手した【分別収集増幅】のスキルの使い方を考えていた。
休憩を終えたので72階層に臨む。
そこは氷と雪の世界だった。
氷雪嵐が吹きすさぶ。そんな世界にも恐竜はいた。長い毛で覆われた、あたかも北極熊みたいな胴の恐竜が居た。ナヌークサウルスだ。
恐竜の中には変温動物ではなく、恒温動物のものもいたという説もある。だからこそ極寒地でも生きて行けたと言われていたりする。
餌の少ない極寒の地では探索者は格好の餌に違いない。
但し服や防具で身を覆う人間は衣服が邪魔で食いにくいだろう。なので丸呑みにして消化出来なかったものを糞として体外に排出していたことが考えられる。そんな恐竜なら、わざと呑み込まれて、胃の中から攻撃を仕掛けることも出来る。恐怖に打ち勝てればの話だが。
外側が寒くても平気な奴でも、身体の中から寒くなったらどうだろうか?
そこで隼人は試してみる。毛皮で覆われた恐竜の口を開けさせて冷凍魔法を打ち込む。また別の個体には3000℃の強烈なファイヤーボールを打ち込んで更にその火の玉が奥へ奥へ入っていくように魔力弾で無理やり押し込む。
結果はどっちの場合も有効だった。外側からの攻撃よりも体内からの攻撃が省エネで効果が高いことが判った。
隼人の既にSSS級の実力をもってすれば、多数の敵モンスターの1匹1匹の口を開けさせて魔法を放り込むことなど、造作もない事だった。
あっと言う間におおよそのモンスター恐竜を討伐してしまった。
ここでの階層主は全身毛だらけのモンスターだった。大きさは体高10m体長50mのバッフアローを思わせる姿形のモンスターだった。【鑑定神級】で鑑定すると突然変異の【巨大化バッフアロー】【恐竜殺しの守護神】と出た。
さらに隼人は詳しく鑑定を続けるとフッと笑った。
(これならあれと組み合わせたら最強平気になりそうだ)
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