第16話 74階層75階層

 73階層を制覇した後は安全地帯で次に備えて準備を整えて休憩する。

さて74階層だ。ここにはやたら背の高い樹木が生えていた。

その木の天辺当たりの葉っぱを食っているのは5階建てビル位の頭の位置の首の長い恐竜だ。ブラキオサウルスだろうか?

その他にも数種類の首長恐竜(竜脚類)が居る。ま、名前は後で確認するとして討伐を始めようか。

ここでも姿を残して討伐するとしよう。


隼人は姿を残すべきの個体を選別して置いた。

カメレオンを討伐した時に手に入れた、【隠れ蓑】のスキルで自分の姿と気配と匂いと音を消して首長恐竜の胴体の下に潜って心臓の有る真下に位置すると、草刈り鎌を手に持って心臓目掛けてジャンプして鎌で心臓に届けと切り付けた。

血が滝のように流れる。やがて命尽きて横向きに倒れた。

既に【死骸保存】スキルは発動している。姿が消えずにストレージに収納する。

 そうやって瞬く間に4種類35頭の首長恐竜を手に入れた。

あとはもう一挙に討伐しても構わないだろうと勝手に判断して

多く集まっている所から業火爆裂魔法で仕留めていった。

転移に次ぐ転移で次々に討伐していく。


巨体のおかげで動きが鈍い首長恐竜(竜脚類)だけの階層なのが隼人に有利に運んで楽に踏破出来た。他のSS級探索者はどんな戦い方をしているのだろうか?気になる隼人だった。


さてどんなどんな名前の恐竜なのか鑑定してみると


ブラキオサウルス 10頭

ブロントサウルス 10頭

アパトサウルス  10頭

そしてひときわ大きな奴らが

アルゼンチノサウルス 5頭だった。

このアルゼンチナサウルスは完全な骨格化石は発見されていない。ということで大発見だと大騒ぎになるだろうと鑑定された。


ぱっと見違いが良く判らない。

いずれにしろこれらはダンジョン産のモンスターであって古代に生息していた恐竜そのものではないということだ。


真実は、このダンジョンとモンスターを作って配置したのみぞ知るということだろう。

さていよいよ最深部75階層に乗り込もう。




 75階層は予想通りティラノサウルスの住処だった。

餌になる草食恐竜も沢山居るがそいつらはNPC扱いで、倒しても経験値もドロップ品も無いようだ。ここではティラノサウルスを10頭討伐することだと鑑定が告げている。

 さっそく1頭目が大きな口を開けて咆哮しながら駆けて来る

凄い迫力だ。本能で、食われる恐怖で震えが止まらない。


 隼人はこのステージ全体を防御シールドで覆った。背中に農薬噴霧用の噴霧器を背負って待ち構える。ティラノが5m前に来た。噴霧器で用意していた液体をティラノの口の中に噴霧した。

 するとティラノサウルスは全身を痙攣させて断末魔の悲鳴を上げて、走ってきた勢いのまま隼人の防御シールドに衝突して跳ね返されて仰向けになったまま動かなくなった。ストレージに収納された。死んだようだ。5頭迄そのやり方で討伐して残り5頭は【死骸保存】せずにドロップ品を落とすようにして10頭討伐完了させた。


 【死骸保存】討伐に使った液体は極寒地で討伐した【巨大化バッフアロー】【恐竜殺しの守護神】がドロップした、ギガノトサウルスの凍結死体から【分離収集】したを持った血液を抽出して増幅させたものだった。

 恐竜絶滅の原因が隕石の衝突によるものだと知られているが、それ以外の原因として恐竜のみを殺す病原菌が有ったのではないかとダンジョン創作者が考えて創ったものと考えられる。その菌が凍結保存されていたのだった。

 その病原菌の正体は今後科学者たちの研究にお任せしよう。

その病原菌がほかの階層に入り込んだり、ティラノサウルスがリポップした瞬間に死んでしまったらいけないので残さず収集収納した。


 何はともあれここのダンジョンは踏破完了だ。


 このダンジョン内の恐竜類は生息地域も生息年代もごちゃまぜで恐竜に詳しい人が見ると非常識な点が目に付くだろうと鑑定された。それがダンジョンなのだと開き直るしかない。恐らくこのダンジョンを作ったもそれを承知で作ったのだろう。

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