【三神一体】シヴァ派の続き

ドカ~ンと弾けた大火炎とともに、リンガの中からシヴァ登場!



「ぶっ、リ、リンガから人がーっ!」



「ひ、卑猥、卑猥すぎです!」



驚いている二人にシヴァは深~いため息をついた。



「アホかお前らは!俺様が一番偉大に決まってんだろーが!」



「はあ!?何で貴方が!」



「そうですよ!見た感じ私が一番の年配者──私が一番偉大に決まってます!」



納得いかない二人がギャアギャア喚く。



「うるせぇ!このクソじじいがっ!」



「ク、クソじじい……ひ、ひどい……。」



ショックで項垂れるブラフマーに、シヴァは更なる追い討ちをかけた。



「ブラフマー!てめぇはなぁ、俺の右腰から生まれたんだよ!」



「えぇーーっ!」



ショックを受けるブラフマー。

気の毒に思ったヴィシュヌが、彼の肩をぽんぽん叩いて慰めた。



「おいおい、優越感に浸ってんじゃねぇぞ色男が……。」



ギクッとする色男ヴィシュヌ。



「な、何の事ですか?私は別に……。」



「お前、自分が一番になったと思ってんだろ?」



「え、いや、あはは……。ええ、そうですよ!それが何か!?」



開き直りのヴィシュヌさん。

シヴァはかぶりを振る。



「俺が一番だって言ってんだろーが!」



「なっ!私より顔の劣る貴方が一番な訳ないでしょうが!」



言った瞬間殴り飛ばされた。

癇癪持ちのシヴァを怒らせるには充分な台詞だった。



「か、顔を殴りましたね!?嫉妬!?嫉妬してるんですか!?」



このナルシスト野郎が……。

ったく、ムカつくぜ……。

その鼻へし折ってやらぁ!


ニッと笑ったシヴァが嫌みっぽく真実を告げる。



「あのなぁ、てめぇはなぁ、俺の左腰から生まれてんだよ!ざまーみやがれ!」



ひ、左腰……?

あんな野蛮な男の……?



「ひぃぃぃっ!な、何でそんな所から!?いやぁぁぁっ!」



超絶美男子のムンクの叫び。



「何だよ不満なのか?なら真ん中にすりゃ良かったな!」



ま、真ん中って……リンガ!?



「ぎゃぁぁぁ!ひ、左腰で充分です!」



自分を抱き締めガクガクぶるぶるのヴィシュヌさん。



「って事だ。だから俺が一番偉いんだよ。分かったら跪け!」



ふんっと胸を張るシヴァ。



「それとこれとは話が違います!誰が貴方なんかに跪きますか!」



「そ、そうですよ!誰が跪くもんですか!」



我に返ったブラフマーが同意する。



「私達が貴方から生まれたと言うなら地位は同等!優劣など有りません!」



「はあ!?何でそうなるんだよ!」



「何ででもです!私達は三人で一つ!それ意外の何ものでも有りません!」



「そ、そうなのか……?」



「ブラフマーの言う通りです!私達は三人で一つ。分かりましたね!?」



「う……。ああ、分かった……。」



何だか知らないが、言いくるめられてしまったシヴァ。

ブラフマーとヴィシュヌは心の中で握手したとかしないとか……。



ちょっと独自の解釈を入れちゃいましたが、これがシヴァ派に伝わる神話でした。

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