神々登場!
【三神一体】シヴァ派
宇宙時間の境の期。
ひとつの宇宙が終わり、新しい宇宙が始まろうとしていた。
「ふぅ……。ようやく一区切りがつきましたね……。」
大海に身を漂わせ、ぼ~っとしているヴィシュヌさん。
ひと時の休息を、波に揺られながら楽しんでいた。
「うわっ、眩しっ!」
すぐ近くで光明が発生し、ギュッと目を閉じる。
次に目を開けると、そこには白髪白髭のじいさんが立っていた。
彼の名はブラフマー。
創造の神であった。
ブラフマーはビクッとした。
そこに男が居たからである。
自分より前に存在する者は居ないはず……。
「私は宇宙の創造者ブラフマー。貴方はいったい何者ですか?」
何このじいさん……。
問われたヴィシュヌが怪訝な顔をする。
「おっしゃる意味が分からない。私こそ宇宙の創造者ですが?」
おやおや、世間知らずの若者ですか……。
肩をすくめ、ため息をつくブラフマー。
「貴方こそ何をおっしゃる……。創造者は私ですよ?」
我こそが創造者。
そう言って二人は互いに譲らない。
その時、凄まじい閃光とともに巨大な
頂ははるか天にそびえ、底も海に深く沈んでいて、どこまで伸びているのか分からなかった。
「こ、これはまた卑猥な……。」
「た、確かに……。」
ブラフマーのつぶやきに同意するヴィシュヌ。
いや、だってリンガですよ?
男の人のお股に付いてるアレですよ?
そりゃ卑猥ですわ……。
「しかし……でかい……。一体どこまで伸びてるんでしょうね……。」
ぽんと手を打つヴィシュヌさん。
「ブラフマー、この果てを見定めた方が偉いって事にしませんか?」
「果てですか……。それは良い。では私は上を見定めましょう。」
「それじゃ私は底の方を。」
ブラフマーは白鳥に変身して天に駆け、ヴィシュヌは猪に変身して海に潜った。
「き、きりがない……。先が全然見えませんね……。」
どこまで昇っても先は見えない。
「あーっ、もうっ、何なんですかこれは!」
どこまで下りても底は見えない。
二人は負けを認めて元の場所に戻った。
「ブラフマー、私の負けです。底には辿り着けませんでした……。」
「え?私の方こそ負けを認めますよ。頂には辿り着けませんでしたから……。」
互いに辿り着けなかったと知り、勝負は無かった事となる。
再びどちらが偉大か話し合い始めるブラフマーとヴィシュヌ。
ところが──
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