後輩
第5話
これはわたしが高校生の時のお話です。
わたしの入っているバスケ部にふとした瞬間に霊が見える後輩がいるんです。
私が1年生の時からその学校の体育館では結構不思議な体験をすることが多くでもその体験を友達に話すとこの子少しおかしい子だな。と思われそうでずっと話せずにいたんです。
ですが私が2年になりその後輩が入ってきた時私はその後輩と2人でパイプ椅子を倉庫から持ってきていました。
そして何度も倉庫と体育館の往復をし疲れたのでちょっと休憩のつもりでその倉庫の入り口付近で休んでいたんです。
すると誰もいないはずの倉庫の中から男の話し声が聞こえてきました。
私はこの声は1年の時から聞いていた声だったのでまたか。というような感じで後輩を怖がらせないように聞こえないふりをしていました。
ですがその日はなぜかどんどん声が近づいてきてこれは本当にまずいやつがもしれないと思い私は後輩に「ちょっとこっちきて」といい後輩をつれてその倉庫から離れました。
すると「先輩も聞こえてるんですか?」と後輩が言ってきました。
私は自分だけ聞こえていると思っていたのに後輩も聞こえていたなんてびっくりました。
そして私は「あの声ね私が1年のときからずっと聞こえると。でも声が聞こえるとか言ったらおかしいやつみたいに言われるけん誰にも言えんかったっちゃん。」と言うと「わかります。こいつ頭おかしい?て思われるか怖がられるかのどっちかですよね。」と言われ私たちは共感していました。
そしてその倉庫のことがありその後輩とはよく話すようになり後輩のお母さんはガッツリと見える人で除霊みたいなこともできる体質の人なんだそう。
そしてその後輩は何度か憑依的な感じで身体を乗っ取られたことがあるらしい。その度にお母さんにはらってもらっているそう。
正直わたしはそこまでの経験はしたことがなかったのですごく怖かったです。
そしてある日部活が終わり外にある水道で顔を洗うため1人で出ていくと一本の道路を挟んだ所に先生達の駐車場があり小さな男の子の後ろ姿が見えました。バトミントン部の顧問の先生の子供が毎週体育館に来ていたのでその子かな?と思いもう夜の7時を過ぎていたの外は真っ暗でした。なのでその子を追いかけて行き体育館に連れて行ってあげようと思い探しに行きました。ですがその男の子は駐車場のどこにもいなかったんです。車の下など小さい子が入れそうな所を全部見てもどこにもおらず怖くなり早足で体育館へ戻りバトミントン部の子に「今日、先生の子供きとった?」と聞くと「今日きとらんよ。」と言われました。
その瞬間ゾッとしてその日はあまり眠れませんでした。
そして次の日わたしは後輩にその話をしました。すると「わたしその子入学式の日に見たかもしれないです。」
その時は後輩は入学式に出ていた子の弟だと思ったらしいんですがあきらかに普段着を着ていたので少しおかしいなと思ったくらいだったらしい。
そして私は後輩に「青い服きとった?」と聞いた瞬間。後輩は持っていたバスケットボールを落として私をじーーーっと見つめてきました。
そしてその目はとても生きている人の目とは思えないほどに真っ黒でまったく生気が感じられなかったのです。
わたしは怖くなりぎゃーーーーーーっと叫びながら同期達に後輩の様子がおかしいと話してすぐにお母さんを呼んでもらいました。
そのあとまた後輩の様子を見るとやはり私を見つめていました。どこに逃げても私を目で追い身体はまったく動かさず目だけで私を追いかけてくるのです。
怖くなりわたしは部室にこもっていました。
そして後輩のお母さん来てその場で除霊をしたそうです。
そして後輩は憑依されていた間の記憶はなく私を見つめていたことなど知らなかったらしい。
そして後輩のお母さんから「青い服きた小さい男の子がのっとったよ。」と聞いてゾッとしました。
それから私は2度と後輩に青い服の男の子の話はしないと決めました。
あの生気のない真っ黒な目は社会人になった今でも忘れられません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます