お婆さん
第4話
これは私が中学生の時のお話です。
私には3つ上の兄がいます。いつも喧嘩ばかりしてその日も兄と喧嘩をして私は自転車で家を出ていきました。
私の家は海の近くにあり海の方に自転車を走らせました。
するとある家の前にお婆さんが立っていました。どうしたのかと思いお婆さんを見ていると目があったので「こんにちは。」と挨拶をしました。
するとお婆さんはにっこりしながら「こんにちは」といい私に「海はどっちにあるかわかる?」と聞いてきました。なので私は海の方まで案内することにしました。
お婆さんがいた場所から海まではそこまで遠くなくすぐに海に着きました。
そしてお婆さんが「わざわざ案内してもらってごめんね。優しい子やね。ありがとう。」といい私は家に帰ろうとしました。
でも帰っている途中ふとお婆さんは帰り道に迷わないか不安になり戻ることにしました。
海まで戻りお婆さんを探しました。
私がこの海を離れて5分ほどしかたっていないからお婆さんがいなくなるのはありえないことでした。
もしかして海に落ちたのではないかと思い海を必死に探しました。
私は怖くなり家に急いで帰りました。
そして父にお婆さんのことを話すと父は海にいき一緒に探してくれました。
でもまったく見つからずその日は2人とも家に帰りました。
そしてそれから3日後私は学校から自転車で帰っているとこの前お婆さんが立っていた家の前にお婆さんがいたんです。なので私は「お婆さんこの前海からちゃんと迷わず帰れましたか?」と聞きました。
すると「うん。ありがとね。」といいお婆さんと別れました。
そしてその1ヶ月後くらいにお婆さんが立っていた家の前に警察が来ていました。
あれ?と思い母に「警察がいっぱいおったよ。なんがあったと?」と聞くと
「白骨化した遺体が見つかったげな。」といい
その時は近所だったのでうわーなんかやだな。と思っただけでした。
ですが、後で母から聞いた話によると一人暮らしのお婆さんだったそう。そしてその話を聞いてから私は海へ案内したお婆さんの顔が浮かびました。もしかしてと思いお婆さんの家の前に行き親戚らしき人がいたのでその人にお婆さんの写真見せてもらえないかと言うと1枚の写真を見せてくれました。
するとその写真には私が海へ案内したお婆さんを少し若くした感じの写真でした。
私はその時すごく怖くなりました。でもそれと同時にはやく見つけてほしかったのかと思い申し訳ない気持ちになりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます