お寺

第6話

このお話は私が幼稚園の頃のお話です。


このことを私は覚えてません。

母から聞いたお話になります。


私の親戚はお寺の住職をしています。

そして小さい頃わたしはよくそのお寺に遊びに行っていました。


お寺の近くには小さな川があってその川で遊ぶのが大好きでした。


そして私は川で遊んでいると石でできた大きな怖い顔をした不動明王の隣に小さな男の子がいました。


私は当時母から「悪いことしたらお不動さんのとこつれていくけんね。」と言われていたので怖い顔の不動明王がすごく苦手でした。


でも寂しそうな顔をしたその男の子を見て私は放っておけなかったのか男の子に「一緒に遊ぼう」と声をかけその男の子と一緒に遊んでいました。


するとセミをとりにいっていた兄は1人で笑いながら川で遊ぶ私を見て母に妹が1人で笑って遊んでると報告したんだそうです。


すると親戚の住職もその話を一緒に聞いていて母と住職が私を川に迎えにきました。


そして住職が「2人ともお経するけんおいで。」

と言われ私と男の子はお寺の中に入って行きました。

当時はお経のことはまったく意味がわからずお経をしている住職の声が好きで私はお寺に行くたびにお経を聞いていました。


そして目をつぶってお経を聞いてしばらくして終わりました。

すると隣にいたはずの男の子がいなくなっておりわたしは母に「男の子がおらんくなった。」と言うと住職が「あの男の子はね帰らしたよ」と言われ「まだ遊びたかったー。」と私は泣いたそうです。


そしてその男の子は私と住職にしか見えていなかったそうです。

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